樹木医アラカルト
ある樹木の枯死
JR茨木駅西側にある春日丘高校の前の通りはユリノキの並木道になっている。 なかなか立派なユリノキの並木であるが、まだ一度も花が咲いているのを見たことがない。これは、毎年、夏が過ぎるとバッサリと強選定をするせいだと私は思っている。 ところで、このユリノキの並木に混じって1本だけ別の木が植えられている。 知る人ぞ知るジャカランダという木である。ジャカランダは中南米原産のノウゼンカズラ科に属する樹木で、見かけはアカシアやネムノキに似ている。羽状複葉の歯は涼しげで、初夏には薄い青紫色の花を咲かせる。ユリノキが花を付けない代りに、このジャカランダは毎年、花をつけ、通行人の目を楽しませてくれていた。
龍もなぎ倒し、王命さえ奪う台風
今年ほど台風が数多く発生し、甚大な被害をもたらしたことは前例にないだろう。伊豆大島の山を崩壊させた10月16日の台風26号、11月8日、フィリッピンでの風速90米を越える強風で数千人の尊い命と甚大な爪痕を残した台風30号。地球温暖化による気候環境変化による影響は確実に大きくなっている。
『病原の世界』
樹木の治療にあたる際、被害をもたらしている病原がいったい何であるかとういうのは実に重要ですので、この病原を追及するために顕微鏡診です。
龍門山の山歩き
和歌山県紀の川市にあるJR粉河駅からすぐ南の方角に龍門山(りゅうもんざん)という山がある。標高はあまり高くないが(標高756m)その秀麗な山並みから紀州富士とも呼ばれ、「紀伊名所図会」にも出てくる和歌山の名山である。 平成25年10月末のある日、五條市に出かけた帰り、この龍門山に登ってみた。 車で、みかん畑の中を登山口まで行き、田代峠コースの入り口に車を止める。 車から出て歩こうとすると、すぐそばに大きなイノシシが2頭いた。向こうもびっくりしたらしく、すぐやぶの中にかくれてしまった。 雑木林の中をゆっくりと登る。シロダモの木が多くあり、ちょうど花の盛りで赤い実と一緒に花を見ることができた。
台湾の樹木(第4回)
台湾の樹木第4回は「福山植物園」です。 「福山植物園」は、台湾北部の低山~中山帯の代表的な森林生態の保存を目的として1986年に設置された植物園です。面積は1,200haあり台湾最大の植物園で、標高600mから1,200mの範囲に広葉樹を中心とした自然林が広がっています。 そして自然生態を保護し、その環境を維持していくため、1日の見学申請者を300人に制限し、見学できる区域もその一部、20haに限られています。
強運の持ち主
我がN造園の元親方である義父は、非常に運が強い。詳しく言うと、よく賞品が当たるのである。ただ、本人はそれを強く望んでいるわけではないのだが、とにかく「なんや知らんけどよく当たる」のである。 義父はゴルフが趣味で、毎週のようにゴルフに出かけていく。その中でコンペといわれる大会も多数あり、よく出場している。ゴルフコンペは上位1~3位に豪華賞品が与えられるのだが、それだけではなく、きりのいい5位、10位や、ブービー賞など他の飛び賞も多数設定されていて、楽しみが多いそうだ。義父の腕前はなかなかのものらしいが、いつも上位に入賞できるというわけではない。しかし、必ずと言っていいほど賞が設定されている順位に入り、何か賞品をもらって帰ってくる。肉、米、バッグ・・・。結構豪華な賞品が多く、私もずいぶんいろんなものを分けてもらった。 また、義父はグランドゴルフもやっている。グランドゴルフというのは主に高齢の方がよくやる競技で、ゴルフのパターの腕を競うようなものだそうだ。ゴルフをやっている義父にとっては簡単だそうで、ホールインワンの景品であるティッシュが家に山積みにされていた。 先日、地獄のような暑さの中、義父に仕事を手伝ってもらっていた。3時になり休憩していると、お客さんが暑さを気遣って、おやつに「ガリガリ君」というアイスキャンディーを出して下さった。これはありがたい。火照った体を冷やすには、アイスが一番だ。おいしい、おいしいと、ソーダ味のガリガリ君を一気にたいらげた義父は、何やらアイスの棒を細い目で眺めていたかと思うと、おもむろにこう言った。 「なんか書いてあるで・・・。ア、タ、リ・・・。」 さすがだ・・・。こんな場でも強運を発揮するのか・・・。 「ひゃっひゃっひゃっ。ワシ、何でもよう当たんねん。」 義父は、当った賞品をなんでも他人に配ってしまう。いや、当ったものではなくても、他人にあげてしまう性格なのである。 「みんなに配ってたら、ワシの分が無くなってしもた・・・。」 と、よく言っている。しかし、この無欲さが強運をもたらしているのではないかと思うことがある・・・。 (i)