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妙国寺の手水鉢
妙国寺と言えばソテツが有名であるが、千利休寄進の瓢(ふくべ)型手水鉢も忘れてはならない。この手水鉢はこれだけをみると何の変哲もない物で、利休ゆかりの品というには余りにも面白みがない手水鉢にみえる。ただ一つ変わったところがあるとすれば、水抜き穴があいているところである。そこでその穴について考えてみた。 千利休と言えばまず思い浮かぶのは「おもてなしの心」である。その思いから考えると、「水を抜く」ではなくて「水を満たす」穴ではないか、噴泉の穴ということであれば利休らしくて面白い。 ではどうやって水を出すのか考えてみる。普通は川から懸け樋で水を引く。ここでは土居川が 近くにあるので、この水を水車で持ち上げ、懸け樋を流れた水が軒上の桶に溜まり、上からの水圧を利用して水を噴出させるという方法だろう。もちろん噴出させるには桶と手水鉢をパイプでつなぐ必要があるが、銅板を丸めて筒状にパイプを作るのは当時の技術では容易に出来たであろう。手水鉢の穴の下には左上から右下にかかる大きな溝があり、深さ7~8cm、巾4~5cm程でパイプを隠すには手ごろな大きさである。パイプを埋めて漆喰をかぶせ、その上にシダや苔等を配置すればパイプの存在はまったく判らなくなる。水の出口も水鉢の底にある為、光の屈折により見えなくなるであろう。 ところが、土居川の水では、いくら当時はきれいな水であったと言っても「おもてなしの心」には程遠いものがあり、お客様に対する気配りを考えると、井戸の水を利用するであろう。 現在のように、水道の蛇口をひねると水が出るという時代ではないので、井戸の水の利用の仕方にも工夫を凝らしたに違いない。 一番簡単な方法を考えてみた。 [...]
新年明けましておめでとうございます。平成23年元旦
ついに2011年がスタートしました。 旧年中はNPOおおさか緑と樹木の診断協会に多大なるご協力とご支援を頂きましたことを お礼申し上げます。 本年も様々な取り組みや、おもしろ情報をこのブログから発信していきたいと思っております。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
『野間のケヤキ』のしめ縄作りで新年を!平成22年12月30日
私は毎年、1000年以上も生きてきたと伝えられる『野間のケヤキ』のしめ縄づくりに参加しています。一年の反省と新年に向けて健やかなることをこめて・・。 地元の皆さんと毎年来られる10名ほどの応援の方々と皆が和気あいあいで半日を過ごします。年一回お会いする方々も“やあ・・”と笑顔で挨拶。じかに触れあえるこの古木もなにか笑顔で一緒になってしめ縄をこしらえている錯覚になる事もあります。 [...]
果樹のせん定真っ最中
大阪府内で栽培されている果樹の種類をご存じですか? 一番面積の多いのがみかん、二番目がぶどう、三番目がくりです。それ以外にもいちじく、かき、もも、うめなどが栽培されています。ぶどうはハウス栽培も多く行われています。 さて、果樹の栽培管理で大事なものにせん定があります。露地で栽培される果樹は今がせん定の最盛期、せん定ですっきりさせて正月を迎えたいという農家もたくさんおられますよ。 「庭に植えられているうめ」のせん定と「果樹として栽培されているうめ」のせん定ではその方法がかなり違います。ここでは果樹としてのうめのせん定の手順を簡単にご紹介しましょう。図を参考にしてください。 [...]
日本樹木医会を訪問しました。平成22年12月22日
我々、樹木医の本丸です。数年前に独立開業したこの場所を一回は見ておきたいと、大阪・堺大会のお礼、大阪での活動報告を兼ねての突撃レポートです。 ①東京駅からJR山手線で16分、160円。駒込駅を下車。駒込駅のホームは掘割になっており、法面がツツジの大刈り込みで緑化され、背景には桜の並木も・・・春には華やかになることでしょう! ②事務所は六義園の東側に皮一枚で立ち並んだ細長いマンションの1室です。道中には花屋さん、藍染の工房、蕎麦屋など魅力的な商店が軒を連ねています。 [...]
黒柿
「黒柿って食べたことあります?」 黒柿とはクロガキと読み、一般には木材の名前として知られています。 柿材は淡い橙褐色ですが、稀にタンニン(柿渋成分)が沈積し黒変して、縞模様や濃淡ができることがあります。このような材を黒柿(クロガキ)と言い、昔から珍重されています。 木目は綿密で重硬、主に高級和家具や茶器・建築装飾材の材料として使用されます。 [...]