京都「八重の桜」ゆかりの地を訪ねて
鴻原弘樹2014-01-07T23:32:28+09:00NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。 平成25年12月の開催は、NHK大河ドラマ「八重の桜」ゆかりの地を訪ねました。 案内は京都樹木医会の高木邦江樹木医が担当しました。 小雨のぱらつく寒い京都、受講者は12名、総勢15名での開催です。
NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。 平成25年12月の開催は、NHK大河ドラマ「八重の桜」ゆかりの地を訪ねました。 案内は京都樹木医会の高木邦江樹木医が担当しました。 小雨のぱらつく寒い京都、受講者は12名、総勢15名での開催です。
前号までに台湾のネバネバ・カチカチ土壌の実情について記しました。それでは具体的にどのような植栽基盤整備や土壌改良をすれば良いのでしょうか。以下に先日台湾で実施したクスノキの樹勢回復処置現場を紹介します。 ■通気性(透水性)と排水対策 これまで述べてきたように、多くの台湾土壌はシルト・粘土分が多いベタベタとした通気・透水性の悪い土壌です。また、重機転圧や踏圧がかかるとカチカチに締め固まります。とりわけ台北近郊はもともと湖と湿地帯であった訳ですから、ベタベタの土壌で排水不良に十分な対策を要します。 以下に示す写真は(その2)で紹介した、台北市内中心部の公共施設外構植栽の樹勢回復処置を施したときの写真です。3年前に植えられた高さ12mを越えるクスノキは、年々樹勢が悪化し瀕死の状態となっています。基盤を調べたところ、70㎝深さで滞水が見られ、50cm深さまでは水が上下していた痕跡が見つかりました。12mを越える樹木が50cmの深さしか根が張れない状況です。また樹木周辺の埋め戻し土はSiCL(シルト質植壌土)ですが、指触法で土の固さを確認したところ、指で押した跡がかろうじて残るくらいの固く締まった土壌でした。そのような事から、確実な排水を確保し、土壌を軟らかくして通気透水性が改善できる手法を採用しました。
台湾で植栽用客土として販売している土壌を分析しました。主に台湾随一の園芸の町「田尾」と言うところで分けてもらった土壌ですが、他に彰化縣と言うところの海際の造成地で採取した土壌や、台北市近くの陽明山付近で採取された土壌が含まれています。 台湾でも日本と同様の分析が可能ですが、有効水分保持量だけは測定できません。有効水分値は、土壌に吸着される水のポテンシャルを表すもので含水率や吸水率とは異なります。実際に植物体に供給可能な土壌水分量を示すもので、西日本のマサ土など、保水性の乏しい土壌を調べる際には重要な分析項目となります。しかし、シルトや粘土分の多い台湾においては保水量が高い土壌のため、有効水分保持量を測定する必要が無いのかもしれません。幾つかの大学や分析機関を回り確かめましたが、どこも有効水分保持量を測定してくれるところはありませんでした。
これまで台湾において何箇所もの土壌調査を実施してきました。調査は都市が多く存在する台湾の西側地域を中心に行ってきました。ですから台湾東側の土壌についてはあまり詳しいとは言えませんが、調査でよく見かけた台湾の植栽基盤について報告します。 ■よく育つ環境が植栽基盤整備への関心を削いでいるのでは 台湾では、植栽計画に当たって予め土壌調査を実施するのは稀なようです。土壌や基盤の特性を把握せずに植栽するものですから、枯損率は非常に高いのが実情です。短期間に大量の樹木を植える街路樹植栽では、枯損率が30%を越えるものも少なくはありません。 多少の手間と経費をかけても、予め調査を行い植栽基盤の問題点を掴み、問題を改善した上で植栽する方が、枯損が減り、結果トータル経費が削減できる点や、将来に健全で立派な樹木を残すには植栽基盤整備は欠かせない事を説いて回っている次第です。 しかし、温暖で降雨の多い台湾では、ほっておいても樹木は育つと思われがちのため、なかなか調査の必要性が浸透するには時間がかかりそうです。
平成25年11月の開催は、世界文化遺産・奈良公園周辺に点在する巨樹・巨木を訪ねました。 案内は奈良県樹木医会にお願いし、天野樹木医、木南樹木医、清野樹木医、中嶋樹木医の4名が紅葉の始まった奈良公園を案内してくれました。 受講者は12名、総勢18名での開催です。
キク科植物で古くから庭や公園に植えられていますが、本来は海岸近くの植物です。 波打ち際の岩の根もとや防風林のきわなどに自生しています。 自生している地域は広く、太平洋側は福島県の海岸から以南、日本海側では石川県以南に分布しています。 沖縄の海岸にも見られます。 庭に植えられるのは、日本造園様式が景石を配置されている場合が多いので、よく合うためだと言われています。 暗緑色できれいな光沢のある葉は、日本の石組みによく合います。 また、松林や広葉樹林の林縁でも元気に生育しています。 10月から12月にかけて咲く黄色の花も人気があります。 花は比較的に大きく、直径4cmから6cmもあります。 最も大きく咲くものにオオツワブキと呼んで、九州の海岸に自生しているそうです。 九州のオオツワブキは、葉柄を粕漬けにして土地の名産にしているようですが、私は佃煮にします。 我が家の団地には、沢山のツワブキが植えられていますが、これは取りません。 桜が咲いたときに枝を折り取るのと同じ窃盗に類する行為だと思います。 ツワブキは、古くはツバ、ツワ、ツヤと呼ばれていたようですが、今でもこの名前で呼んでいる地方があるそうです。 出雲国風土記は奈良時代の初期、和銅6年(713)の詔勅によって書かれた地誌ですが、天平5年(733)に完成しました。 この地誌のなかにツワブキのことが古名で出ているそうです。 古名はツバ、ツワ、ツヤのどれなのかわかりません。 ツワブキは、漢方薬店ではあまり売っていない薬草ですが、打撲、火傷、霜焼け、痔などに生の葉の汁を塗ると言われています。 一株でもよいので、庭に植えたいですネ。
平成25年9月にNPOおおさかで日台合同樹木研修会と称して台湾ツアーを実施しました。その際に台湾で見かけた樹木について、真田俊秀さんより4回に渡り「台湾の樹木」と題して詳しく報告頂いています。それならばと、私からは台湾の土壌特性について5回にわけて報告させて頂きます。綺麗な樹木写真と異なり土壌の場合は美しい写真で飾れません。少々野暮ったい報告になりますがお許し下さい。 それでは第一回目として、台湾の首都である台北市の土壌の特性について述べます。
平成25年10月の開催は、滋賀県長浜市木之本の山裾に点在する巨樹・巨木(野神)を訪ねました。 案内は滋賀県樹木医会にお願いし、地元木之本町在住の高橋樹木医、二宮樹木医に加え、北村樹木医、鹿田樹木医の4名が道中楽しいお話を聞かせてくれました。 受講者は9名、総勢15名での開催となりました。
JR茨木駅西側にある春日丘高校の前の通りはユリノキの並木道になっている。 なかなか立派なユリノキの並木であるが、まだ一度も花が咲いているのを見たことがない。これは、毎年、夏が過ぎるとバッサリと強選定をするせいだと私は思っている。 ところで、このユリノキの並木に混じって1本だけ別の木が植えられている。 知る人ぞ知るジャカランダという木である。ジャカランダは中南米原産のノウゼンカズラ科に属する樹木で、見かけはアカシアやネムノキに似ている。羽状複葉の歯は涼しげで、初夏には薄い青紫色の花を咲かせる。ユリノキが花を付けない代りに、このジャカランダは毎年、花をつけ、通行人の目を楽しませてくれていた。
今年ほど台風が数多く発生し、甚大な被害をもたらしたことは前例にないだろう。伊豆大島の山を崩壊させた10月16日の台風26号、11月8日、フィリッピンでの風速90米を越える強風で数千人の尊い命と甚大な爪痕を残した台風30号。地球温暖化による気候環境変化による影響は確実に大きくなっている。