第1回に続き、台北市中で見た樹の紹介です。
最初はサルスベリの仲間の「大花紫薇」です。 「大花紫薇」は熱帯アジア原産で、高さは20mにもなるミソハギ科の落葉高木です。夏に、やわらかそうな桃色の花を咲かせます。
次に「楊桃」の紹介です。「楊桃」は日本ではゴレンシと呼ばれ、スターフルーツとも言い、熱帯アジア原産でカタバミ科の常緑高木です。
果実は食用になり、そのまま食べたり、サラダやピクルス、砂糖漬けなどに用いられます。
日本でも沖縄や宮崎県などで栽培されていて、なじみのある木です。
次は「血桐」という変わった名前の樹です。
「血桐」の枝は折れると樹液が流れ出し、酸化して赤色に変わり、まるで血が流れているようなので「血桐」という名がついたそうです。また、植物の葉柄は普通は葉縁にありますが、「血桐」の葉柄は葉の中央で上方に偏っていて、古代の武器のようなので、「盾形葉」とも呼ばれます。
次はトウダイクサ科の常緑高木の「茄冬」です。日本では「アカギ」と呼ばれています。街路樹や庭木として植栽されています。たわわに実った実は食用にもなります。沖縄では首里金城町に大木が6本あり、国の天然記念物に指定されています。
そして、次の樹も実をたくさん付けます。クワ科の半常緑高木の「雀榕」です。街路樹などに植栽されていて、日本では、「アコウ」と呼ばれています。イチジクによく似た実は食べられます。成長すると気根で他の樹を枯らしてしまうので、締め殺しの木とも呼ばれます。
次も気根をたくさん出す樹で「榕樹」と言い、日本では「ガジュマル」と呼ばれています。クワ科の常緑高木で、街路樹や公園に植栽されています。
沖縄県名護市のひんぷん(屏風)ガジュマルは有名で、この木にはキジムナー(精霊)が住むという言い伝えがあります。
この木も気根を出し、他の木に発芽し寄主に枝を伸ばし絞め殺して大木になります。
赤い実がたくさんなっていましたが、この実はコウモリや鳥の餌になります。
そして、次はかわいい花をつけていた「プルメリア・ルブラ」です。キョウチクトウ科の常緑小低木で、ハワイでは非常に人気のある樹です。茎を折ると白色の乳液を出し、有毒ですが薬用にもなります。乾燥に強く、日あたりの良い屋外でよく開花します。
まっすぐ伸びた大きな樹は「黒板樹」と言い、キョウチクトウ科の常緑高木です。
よく見るとビルの屋根を突き破って枝を大きく伸ばしていました。別名「ミルキーパイン」といい、樹皮を傷つけるとミルクのような白い樹液が流れます。そういうところは日本にある「シラキ」によく似ていると思いました。秋には白いアジサイのような花が咲きます。
この「黒板樹」は、立地環境はあまりよくありませんが、地域のシンボルとして、いつまでもこの姿を保ってほしいものです。
真田 俊秀