NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。
平成26年3月の講座は、古市古墳群を擁する藤井寺・羽曳野両市に点在する巨樹を求めて歩き、いにしえのロマン・謎・神秘に迫りました。
案内はNPOおおさかの真田俊秀樹木医にお願いしました。
午前9時に近鉄高鷲駅前に集合した受講者は11名、総勢14名での開催です。
藤井寺市から羽曳野市にかけて東西・南北約4kmの範囲に広がる古市古墳群。4世紀後半から6世紀中頃にかけて120基を超える古墳が築造され、現存する45基には、墳丘長200mを超える巨大な前方後円墳が7基も含まれています。堺市にある百舌鳥古墳群とともに、独特な墳墓の築造に膨大なエネルギーを注ぐという、他に類を見ない特異な文化がかつて日本に存在したことを物語る貴重な歴史資産であり、平成29年の世界文化遺産登録をめざしています。
雄略天皇陵古墳です。大規模な前方後円墳で、宮内庁が管理するものは大体、鳥居のある拝所が正面にあります。堀の向こうには鬱蒼とした緑が迫っています。
津堂城山古墳の後円部分が境内林になっており前方部や堀のところは古墳の中に立ち入って散策が出来ます。文化財である古墳の表土が流れてしまっているのが気になりました。
エノキとアキニレが伸び伸びと大きく成長していました。
藤井寺市にあるオオガイド緑地というところでツリーサークルに植栽されたクスノキです。
水はけが非常に悪く、水盤の中で息苦しそうなクスノキです。樹形は良いのでこのような状況になったのは最近のことだと思います。
藤で有名な葛井寺です。藤のトンネルや古樹が何本もあります。
クスノキの巨樹を発見しました。
辛国神社は大阪みどりの百選にも選定され、参道は数々の樹木でおおわれていました。
朽ちた樹木の中から新しい命が育っていました。
アカマツがモチノキに締め付けられています。どっちも苦しそうです。
庭木の王様といわれるモッコクにしてはかなりの巨樹です。
仲哀天皇陵古墳の約4分の3を回りました。
アイセルシュラホールの中でお弁当を頂きました。
応神天皇陵古墳は仁徳天皇陵古墳に次ぐ2番目の規模で、全長425m。古墳の盛り土の体積では全国一です。
大阪場所で来ているお相撲さんの洗濯物でした。Tシャツもバスタオルもビックサイズです。
誉田八幡宮は応神天皇陵古墳の南側にありますが、かつてはその墳丘部も境内の一部であったことが、この絵図から読み取れます。
市の指定樹木のフジ、エノキはどちらも貫禄があります。
大鳥塚古墳です。
古室山古墳の墳丘からは周囲を眺望できます。
仲姫皇后陵古墳です。
澤田八幡神社にはクスノキ、エノキ、イスノキの巨樹が見られましたが、近鉄南大阪線が参道を分断しており、踏切がありました。
澤田八幡神社から見えて、気になって訪ねたのは極楽寺です。
突然の訪問にも関わらず、中を拝見することが出来ました。
クスノキは幹周6mを超え、かつてはミミズクが営巣していたそうです。
カイズカイブキは倒れたものを起して、ワイヤーの支柱で支えています。その支柱が食い込んで先端部が枯れてしまったそうです。
個人のお宅のシダレザクラです。道を挟んで向かいの敷地まで伸びた枝が桜のトンネルとなるのはもうすぐです。
東高野街道の一里塚だったのでしょうか。大きなエノキが頑張っていました。
大阪府の天然記念物に指定されている木患子(もくげんじ)です。初夏に黄色い花をつける仏教木です。
道明寺天満宮境内にはNPOおおさかが指定しているおじいさんの木が何本かあります。
ムクロジが2本とクスノキです。
梅まつりは昨日で終了、散り始めてはいましたが、橋の上から見下ろす梅林は立派です。
道明寺駅で解散、今回の歩行距離は図上で10.5km。万歩計の記録は3万歩に少し及ばずという受講生がいました。皆さん、どうもお疲れ様です。
「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。