山口県にちょっと変わった稲成神社がある。場所は長門市油谷津黄という所で、日本海に面した山あいの崖地にあり名前を元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)という。
 普通は稲荷神社と書くがここは稲成神社と書き、全国で稲成神社と書くには島根県津和野町にある太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)とここだけである。ちなみに元乃隅稲成神社は、狐のお告げにより、昭和30年に太鼓谷稲成から分霊された神社である。
 これが神社の参道の入り口にある鳥居である。

 

正面から見た鳥居

正面から見た鳥居

 

 鳥居の下ではかわいいい狐が出迎えてくれる。

 

鳥居の下の狐

鳥居の下の狐

 

 さて、何が変わっているかというと、鳥居をくぐり、鳥居を振り返ると賽銭箱がずっと上にあるではありませんか。

 

振り返って見た鳥居

振り返って見た鳥居

 

賽銭箱

賽銭箱

 

 ここに賽銭を入れるのは非常に難しく、賽銭が入れば願いが叶うと言われている。
 そしてこの元乃隅稲成神社のもうひとつの特徴は崖を下り海岸へと続く123本の朱色の鳥居である。
 私が行ったときは、一部分の鳥居が修理中であったが、ずらっと並んだ鳥居は壮観である。

 

崖を下る鳥居

崖を下る鳥居

 

全体の鳥居(一部修理中)

全体の鳥居(一部修理中)

 

夜の神社と海

夜の神社と海

 

 夜になると、たくさんの漁船の漁火が海を照らし。神秘的な雰囲気を醸し出している。ちなみにこの神社は商売繁盛、良縁、学業成就などのほかに大漁、海上安全の神様として知られ、まさに神に見守られて漁をしているわけである。
 こういった日本の原風景といった光景はいつまでも残していくべきであると思った次第である。

 真田 俊秀