8月のある日、ふと気が付くとお盆の真っただ中という事に気づいたその日は、朝から雨でした。
世間では、お盆も終盤に入り、平日・祝日関係なしの私も晴耕雨読とばかりに思い切りましてこの日はオフの日にしました。
せっかくの休みの日ということで朝から鋏を研ぎだしまして、ついつい輝く刃先にうっとりとしていますとハタと気づきました。
あ!NPOのブログ記事書かなきゃ!それならこのハサミ研ぎの風景を記事にするか・・と思いつつも手は油まみれでテカテカ。デジカメのシャッターを押すこともままなりません。う~ん困った。
ということで、今回はいつものハサミ主体とは違う方向の記事を書いてみたいと思います。
道具箱の鋏も一通り研ぎ終えまして、さらに鋏の箱を見ますと、松用に使っています芽きりバサミの壊れたケースが目につきました。
このケース、横のヒモが切れて、鋏の先が飛び出して何度も足に突き刺さるということを繰り返してきましたので、いい加減修理しなきゃなぁ~と兼ねてからの気にかけていた品なのです。
ということで今回はハサミケースの修復の話題です。
まずはハサミケースの切れた糸を取り去ります。
この皮ケースはサドルレザー(オイルレザーのケースも多いですね。)をミシンで縫ってあるのですが、ミシン縫いの弱点は糸が一か所切れると、あとは順々にほどけていきます。
縫い始めと終わりはハトメで固定されていますので完全にケースが開いたりはしないものの、やはりきっちりとケースが閉じられていませんと危なくて仕方ありません。
そして、ただ開いた側面を閉じるだけでは、鋭い刃先がすぐにケースの横を突き刺して糸を切ってしまいますので、ただの修復というよりは、少し強度を増しておきたいところです。
そこですかさずレザークラフト用の糸と針を準備します。
そしておもむろにエイヤッエイヤッと順序良く縫っていきます。コツは糸を引く力加減と規則的な縫い付け、そして想像力。(これ重要!)
で縫い終わりましたのが下の写真。
これで完成。刃先が突き刺さりやすいところは糸を返しておきまして、補強も万全。
これで心のもやもやもスッキリの家内安全間違いなし。とても簡単に修復できました。
笹部雄作