昨年12月の滋賀県での研修会で、「平松のウツクシマツ自生地」を滋賀県樹木医会の案内で見学しました。大阪から身近に来られるところに、珍しい樹木があること驚きを覚えました。(そんなこと知らなかったのは小生だけかも)
案内していただいた樹木医の余談で韓国にも「ウツクシマツ」らしきマツがあるとも聞いて、韓国樹木に嵌まっている小生、帰宅後、韓国の天然記念物辞典をめくり、索引と掲載写真と格闘の末、ようやく、それらしき樹木に遭遇しました。
ところが、平松で見た「ウツクシマツ」の樹形とは若干異とし、どちらかと言えば「タギョウショウ」に近い樹形。学名を検索すると、「ウツクシマツ」、「タギョウショウ」ともにPinus densiflora for.umbraculifera、一方、韓国の「ウツクシマツ?」となると、属、種名まで同じアカマツ、その後がfor.multicaulis、学名ではね明らかに「ウツクシマツ」「タギョウショウ」とは異なる樹木、一体、「あんた、誰なの?」です。
学名に詳しい人、あるいは、韓国で見られたことのある人がいましたら、教えてください。
因みに、韓国の「ウツクシマツ」は、盤松(バンソン)と呼ばれ、樹齢が約400年、韓国全土で6本のバンソンが天然記念物に指定され保護されています。
「百聞は一見にしかず」で、財布と相談で訪韓してみようと・・・ 浅川
困ったときにはやはり、『樹木大図説』(上原啓二 S36初版)ではないでしょうか(^^
それには、「テゥセンタギャゥショウ」の和名があり、学名はその通り、「f.multicaulis Uyeki」
とあります。詳細は同書をご覧ください。
さて、その命名者である「Uyeki」ですが、植木秀幹(うえきほみき 1882-1976 )という
「朝鮮緑化の父」と呼ばれていた学者でした。
明治40年から終戦まで半島の緑化と造林に貢献された方で、水原高等農林の教授をされ、戦後
故郷の大洲市に帰郷され愛媛大学農学部で石鎚山系の林木を研究されたようです。
それなりに信頼のおける(日本側の)分類といえるでしょう。