若樫のサクラから北に約2キロメートル。大阪府指定天然記念物の「松尾寺のくす」が見えてきました。
そばの二階建ての建物と見比べると相当な大きさであることが分かります。
近くで見てみましょう。
根元の張り、ボリュームはかなりのもので、どれほどの大風や地震があってもビクともしないであろうと思わせます。
幹も立派です。これほどの大きさになると木の幹というより何かの構造物のように見えます。
この木は集落にポツンと立っています。周囲は道路、川、建物、バス停であり、人の生活の影響を少なからず受けています。隣接する道路とバス停のアスファルト舗装は木の根に良くない影響を与えているはずです。しかし、一方で、注連縄が巻かれ、祠が祀られ、木の周囲がきれいに掃除されている様子からは、この木が地元の人々に大切にされているのだろうと想像されます。
人の手の入らない自然の中で育ったものではなく、また、人の手で厳重に管理された施設内で育ったものでもなく、人の生活する集落内で人との緩やかな関係を維持しながらこの木は育ってきたのでしょう。まるで集落の一員であるかのようです。
さて、この木から200メートルほど離れた所に松尾寺という寺があります。折角ですから松尾寺にも足を延ばしてみましょう。
静かな山寺です。山門を通るとお堂があり、さらに奥へ進むと鳥居があります。そこから先は神社のようです。その鳥居を通った所にブランコやジャングルジムのあるちょっとした遊び場がありました。きれいに手入れをされていますが、それらの遊具や植栽がどことなく古く、時代遅れの感があります。境内が子供達の遊び場だった頃の名残でしょうか。懐かしく感じられました。
(うどん子)