朝、晩に秋の気配を感じる季節となりました。そこで、平成25年9月末の28日(土)、星空の観察のため奈良県の上北山村に出かけました。
大阪を昼過ぎに出発し、川上村へと車を走らせ、まずは大迫ダムの湖畔にある、入之波温泉(しおのはおんせん)に入湯。ここで汗を流し、さっぱりした後、上北山村に入り、R169からR309に入り、行者還トンネルの東側の小さな広場に車を止める。ここは標高が1,120mあり、目の前には大台ケ原の山並みが手に取るように良く見える。
ここでビールを飲みながら夕食を食べていると、だんだん暗くなってきた。その時、近くの藪でガサッと音がしたので、懐中電灯を向けると、なにやらタヌキみたいな小動物が2匹、藪の中にさっと隠れてしまった。
うす暗くなった空の西南の方向に金星が明かりを放っている。
以前は、星座盤で星の名前を確認していたが、夜なので見にくい欠点があった。今はGoogle Skyというアプリを携帯にダウンロード(無料)してそれを使っている。携帯を空に向けると、向けた方向の星座や星が一目でわかる。
ビールで酔いがまわった頃、あたりは真っ暗となり、空を見上げると満点の星である。空が澄み切っているので、手に取るように星がよく見える。
カメラを出して星空の写真を撮る。
夜も更けてきたので、車の中で寝ることにする。肉じゃがなどの夕食の残りはそのままにして、車に入る。靴は車の下に入れて、そのまま朝まで眠る。
外が白み始めた頃、朝日を見るために車のドアをあけ、靴をはこうとしたが、昨晩、車の下に入れておいたはずの靴がない。なにやらキツネに化かされた気分である。
靴下のまま、車の周辺をさがすと、車から30m位離れたところに左足の靴があった。しかし右足の靴はどこをさがしても見つからなかった。
外にだしてあった夕食の残りの肉じゃがなどは、そのままで全然食べられていなかった。私が作った肉じゃがよりも靴のほうがおいしそうに見えたのか。
それにしても何が私の靴をくわえていったのか。
しかたなく、右足は靴下をはいただけで車を運転して帰ることにする。
帰る途中で赤い実をつけた樹が目に飛び込んでくる。車を止めて見てみると「ガマズミ」の実であった。採ってかえって「ガマズミ酒」にすれば良いが、靴が無くなったショックでその気になれなかった。
しばらく進むと紅葉が始まった樹があった。また。車を止めて見てみると「シラキ」の葉であった。「シラキ」の葉は鮮やかな赤に紅葉するので、これからが楽しみである。
街中に比べ山は一足先に秋の気配が強くなっていることを感じた次第である。
真田 俊秀