NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。

 平成25年11月の開催は、世界文化遺産・奈良公園周辺に点在する巨樹・巨木を訪ねました。
 案内は奈良県樹木医会にお願いし、天野樹木医、木南樹木医、清野樹木医、中嶋樹木医の4名が紅葉の始まった奈良公園を案内してくれました。
 受講者は12名、総勢18名での開催です。

 

 

 

 ムクノキの巨樹です。祠の近くの木は大事にされますね。熟した実は甘酸っぱくて食べられました。

 

 

 

 雷が落ちたのか、主幹が折れて、空洞になったところを詰められています。コンクリートで蓋をするのは良くないというのが定説になっていますが、空いたままだと鹿のねぐらになりそうです。

 

 

 

 奈良公園の名物になっているムクロジです。
 主幹の空洞部をモウソウチクが貫いています。奈良公園では鹿に食べられる中、竹もいい場所を見つけたものです。

 

 

 奈良公園の紅葉はナンキンハゼから始まります。
 外来種で、お口に合わないのか鹿はナンキンハゼを食べません。
 一説では、トウダイグサ科のナンキンハゼには毒もあるとか。

 

 

 

 

 1本に見えるクスノキの巨樹ですが、近くに植えられた3本が絡み合っています。植栽されてから105年の時間と空間の作品です。

 

 

 イロハモミジに着生するオオバヤドリギ

 

 

 ヤブツバキに着いたヒノキバヤドリギ

 

 

 万葉植物園にあったヤマナシです。
 落ちていた果実は酸っぱくて硬かったけど十分食べられるものでした。

 

 

 

 臥竜のイチイガシ

 

 

 アカマツの薬害と思われます。松の材線虫病予防のため、樹幹に打った薬の処方が悪かったようです。

 

 

 

 

 ケヤキです。空洞に歴史を感じます。

 

 

 常緑針葉樹であるナギの葉は寿命が7年もあるとか。

 

 

 

 

 春日大社境内のフジです。奈良公園では藤原氏との関係から昔からフジがあまり着られずに残っています。万葉植物園には多くの品種が集められていますし、春日山原始林の中でも大きく成長したフジを見ることができます。

 

 

 ご神木のスギですが、根本はかわいそうな状況です。倒れたりしないか心配です。

 

 

 

 

 クスノキの老巨樹です。雰囲気ありました。

 

 

 一休み、そういえば、休憩もなくよく歩きましたね。

 

 

 

 

 アカメヤナギです。水辺に自生していたと思われますが、石が積まれ、根本が埋められて、キノコも生えて来てしまいました。パイオニアプランツであるアカメヤナギは成長も早いですが、腐るのも早いので要注意です。

 

 

 

 奈良県庁の屋上緑化は一般開放されており、眺望を楽しむことが出来ます。
 紅葉が始まり、ナラ枯れとの区別もつきにくくなっていますが、奈良でもナラ枯れは深刻です。

 今回出会った主な植物は、オオバヤドリギ、ヒノキバヤドリギ、ムクノキ、イチイガシ、スギ、クスノキ、ムクロジ、モウソウチク、シダレザクラ、イロハモミジ、ヤブツバキ、ミツマタ、トチノキ、カリン、ヤマナシ、アリドオシ、ヤブコウジ、カラタチバナ、センリョウ、マンリョウ、ナギ、フジ、アカメヤナギなどでした。

 「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。

宮本 博行