また痛々しいニュースですね。予期できぬ大雨で全国至る所で爪の後、大きな被害が発生しています。明日は我が身でしょうか、忘れたころに・・・
さて、荒れる天気の仕業ではないのでしょうが、この夏、珍しい(いや、よく見かけることなんでしょうが、私の周辺ではめ・ず・ら・し・い)ものを見かけました。
一昨年伐採した街路樹のケヤキ、株周りが太いので貰い受け丸太ベンチとして利用しました。日照りの日も、雨の日も、風の日も放置され誰からも労りの言葉もなく、ただただ思い尻を支え、朽ちてゆく哀れな株太。そんな株太が灼熱の昼下がり、見事な花を咲かせていました。いきなり咲いたわけではないのでしょうが、日頃から目もかけてもらえない路傍の株太ベンチ、この時ばかりは通りすがる人からジロジロと眺められ、時には触られ、タバコ臭い顔を摺り寄せクンクン臭いまで、 アイドル並みの人気でした。
「これ、何んやねん。キノコやな? マツタケ?シイタケ?シメジ?ナメコ?ナラタケか、食えるんかいな?」、
「なんで、今頃 出よったんやろう?余りの暑さにぼけたんとちゃうやろか、」
「しょぼい奴ちゃな、食えんのか?」
「まずそうやな、食われへんのか!」
「食えんかったら、しゃないなぁ?」
てな具合で、まともな名前すら言ってもらえず、何日かすると一瞥もくれない始末。元の路傍の株太に、
でも世の中、捨てたものではない、ある心ある人が私の素性を探してくれた。
「私はアミスギタケというキノコです。間違ってもケヤキの花なんかでありません。サルノコシカケ科に属する白色腐朽菌だそうです。襞の裏が美しい網状になっているのが特徴らしく、毒は持っていません。肉質は柔らかく、一見食べれそうですが食用には適さないと聞きました。良かった。朽ちた木に発生するようです。早速、名札を付けてもらいました。来年も出たら正しい名前で呼んでくれるかな・・・」
シルバー樹木医 M・A