平成25年6月7日、日本樹木医会の栃木大会で宇都宮大学の大久保達弘先生の「福島原発事故による森林生態系に対する放射線の影響」と題する講演が終わったのが夕方の5時、ドシャ降りの雨の中を日光道路で湯元温泉へ、宿に着くと「寒むッ!!」とカミさんがダウンジャケットを取り出す、川口も冬山用の下着に。
 翌朝5時出発、栃木と群馬の県境、金精峠を越え登山口の菅沼へ、駐車場の管理人のオジサンの小屋にはストーブが赤々と、「寒いし、雨も降りそうやから、カッパ着て行こ!」と登り始めたのが5時30分、すぐに私達を出迎えてくれたのは、オオカメノキの白い花弁とツリバナの優雅な花序、しかし空は今にも降り出しそうで「メッチャ降ってきたらUターンやなぁ、、」と弱気なふたり、それでも少し行くと株立ちの綺麗な樹形、「なんの樹やろ?」枝先に付いた花序がウワミズザクラやイヌザクラに似てるけれども違う、(帰って調べると葉脚のハート形からしてシウリザクラだろうと言うことに、)樹林帯を進むこと1時間ほどで残雪の道に、「アイゼン持って来たらよかったなぁ、、、」、霧もかかってきて益々弱気に、「わぁ!雰囲気のあるダケカンバや!未だ眠ったままやん!」、歩くこと3時間で弥陀ヶ池に、霧も晴れ空も明るくなって「行けそうやなぁ!」、避難小屋の前のピンクの集団はミネザクラ、「遅い春やなぁ!!」、そしてここからが最後の急登、一面のシャクナゲを越えたあたりが標高2300mくらいで、酸素が若干薄くなる「無理せんとこ!もうちょいや!!」喘ぎ喘ぎ登ること1時間あまりで岩場のピークへ、、、。感謝感謝、、、。
 けれども、カミさんが楽しみにしていたシラネアオイは一輪も見ることが出来ず、「あの鹿に食べられてんのん違う?」、そのとおりで、栃木の福田樹木医に尋ねてみると鹿の食害が重大な問題になっていて、管理する県などの担当者は頭を抱えているそうです。 ともあれ新緑には少し早かったようですが、とりあえずお疲れ様でした。

川口 守

 

オオカメノキの白い花弁

オオカメノキの白い花弁

 

ツリバナの優雅な花序

ツリバナの優雅な花序

 

シウリザクラ

シウリザクラ

 

ミネザクラ

ミネザクラ

 

シャクナゲ

シャクナゲ

 

鹿の食害

鹿の食害