About 鴻原弘樹

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25 02, 2013

名木と銘菓

2013-02-25T22:52:42+09:00

   枚方市光善寺にある大阪府天然記念物の「光善寺のサイカチ」は、今、樹勢回復処置が実施されている。サイカチはマメ科の樹木で、特徴として大きいものでは長さ30cmのねじれた豆果をつけ、昔はこれを石けんの代用にした。      ところで、京阪電車光善寺駅を出て西北に100m行ったところに「遠州屋」という和菓子屋がある。ここで「郷土銘菓さいかち」(420円/個)というお菓子を販売している。包装紙には「光善寺のサイカチ」の絵が描かれていて、中をあけると大きな焼饅頭が出てくる。饅頭の表面にはサイカチの豆果の模様があり、中は、白餡に包まれて粒あんがまるで豆みたいに散らばっている。食べてみると優しい風味がしてどこか懐かしい味のする饅頭である。まさに名木「光善寺のサイカチ」にぴったりの銘菓である。      そして同じ京阪電車の萱島駅から西に100m行ったところに「まむ多」という和菓子屋がある。ここの住所は門真市になるそうで、ここでは「楠どら」(130円/個)というお菓子があり、萱島駅にある「萱島のくす」をイメージしたものかと思っていたら、「萱島のくす」は寝屋川市にあり、「楠どら」は昔から門真市にたくさんある楠をイメージして作られた和菓子だそうである。      門真市にある名木といえば、国の天然記念物に指定されている「薫蓋樟」がある。その「薫蓋樟」をイメージした和菓子が「まむ多」にある。一個1,300円で名前もずばり薫蓋樟と言い、包装箱に「薫蓋樟」の絵が描かれていて、中には解説書まである。      中のお菓子はというと、緑色の蒸しカステラで栗と粒あんをはさんでいて、カステラは葉を、栗と粒あんは幹を連想させる。食べてみるとヨモギの香がし、昔なつかしい味のするお菓子である。まさに名木に銘菓ありである。      私は、辛党であるが、こういった名木にちなんだ銘菓をおいしいお茶と一緒に味わうのもいいもんだと思った次第である。  真田 俊秀

名木と銘菓2013-02-25T22:52:42+09:00
30 01, 2013

聖木 ブリンギン 

2013-01-30T23:16:08+09:00

   日本のニュースでは、ここインドネシアは大洪水に見舞われ、都市機能のストップが報じられていましたが、現地の被害は2日間くらいでひと段落し、すでにいつもどおりの暮らしが営まれているように見えます。  1月のジャカルタは雨期。日本の梅雨の始まりのころのような天気が続いて、1日の中で時折雨がパラついたり、時にザ~っと降ったり、気まぐれに青空になったりを繰り返しています。私が今いるところの気温は1年中28度で一定。大阪の夏より、よほど涼しく、夏好きの私には朝夕は少し寒いと感じることもあるくらいです。  そのような温かい地で植物はといいますと、雨期ですから植物が目覚めて大いに枝葉を伸ばし、花にあふれています。(日本では私の地元では朝から大雪らしく、妻と娘は雪に閉じ込められているようで、家族に実に申し訳ない・・・。)  と、そのような常夏の現地の木 ブリンギン      この木は聖なる木で、この国の寺院によく植えられ(菩提樹とかオガタマみたいですね。)そしてこの木の下にはユウレイが出るそうな・・・。(しだれ柳みたいですね。)  日本語に訳すと近いのはガジュマル。これもやはり熱帯の木ですからなんとなくイメージできるのではないでしょうか。  乾季にはこの国の木は病気を全然感じさせなかったのですが、雨季は違います。 聖なる木にもやはり腐朽は訪れます。          聖なる木も清濁併せ持つということでしょうか・・・。  赤道付近より 笹部雄作

聖木 ブリンギン 2013-01-30T23:16:08+09:00
22 01, 2013

草刈

2013-01-22T23:02:56+09:00

   私の仕事は造園業である。名前はN造園。例年、正月明けは我々にとって暇な時期でありのんびりしていることが多いのだが、ありがたいことについ先日庭の手入れの依頼を受けた。そのお宅は松が17本もある大きなお庭なので、昨年で引退した元親方にも作業を手伝ってもらうことにした。現場はしばらく手入れが滞っているらしく、草がびっしりはびこっていた。しかも、そのほとんどが「アレチヌスビトハギ」である。      この草は小さい豆のような実をつけ、それにかぎ状の毛がびっしり生えていて衣服などに非常によくくっつくという特徴があり、うっかりこの草むらに足を踏み入れると大変なことになってしまう。マメ科の雑草で、漢字で書くと「荒れ地盗人萩」となる。荒れ地に生育し、実の形が「足袋を履いて抜き足、差し足で歩く盗人の足跡」に似ていて、花が萩に似ていることが名前の由来らしい。一般的に「ひっつき虫」と呼ばれていて、皆さんもおなじみだと思う。      まずは、この草刈からスタートだ。元親方と二人で手分けして刈ることとなった。しかし、作業服のままだと「ひっつき虫」がいっぱいくっつくので、私は全身レインコートで防護して作業を行った。これならほとんどくっつかないで済むのである。 この日はよく晴れていて少し汗ばむような陽気の中、やっとの思いで私の担当した範囲を刈り終えて戻ると、そこには全身「ひっつき虫」まみれの元親方がいた。暑かったからなのか、レインコートを着ずに作業をしたらしいが、見事に「ひっつき虫」の餌食になっていた。 「さすがだ・・・。」      私は元親方のたくましさに驚くと同時に、感動さえ覚えた。私には、あの姿になることを覚悟の上で「アレチヌスビトハギ」群に突っ込んでいく勇気はない。 その日の帰り、元親方はトラックの助手席で「ちきしょう・・・。」とつぶやきながら到着まで1時間半もの間、ずっと「ひっつき虫」を取り除く作業に没頭していた・・・。 (i)

草刈2013-01-22T23:02:56+09:00
13 01, 2013

台湾で樹木医学センターが設立される

2013-01-13T22:46:03+09:00

   昨年12月21日に「台湾樹木医学中心(センター)」の設立記念式典と記念講演会が、台北の林業試験所森林保育大楼・国際会議場で開催されました。樹木医学センターは台湾の行政院農業委員会林業試験所によって設立されました。行政院農業委員会は、日本で言うなら農林水産省に当たります。その下部組織の林業試験所は、林木から都市樹木までを対象とした試験研究機関となります。  台湾には日本の樹木医資格を取得した方が二名います。いずれも台湾の樹木治療に大活躍されており有名人となられています。そして、台湾でも樹木医認定制度を確立すべく、林業試験所や国立台湾大学などが中心となり準備を進められています。この樹木医学センターの設立もその一貫のようです。  樹木医学センター設立記念式典には、(一社)日本樹木医会の中村会長と(一社)街路樹診断協会の神庭会長と私が招待されました。中村会長と神庭会長は祝辞を述べられ、講演もされています。   【設立記念式典、記念講演会の概要】 開催日時:2012年12月21日(金) 9:30~17:30 開催場所:林業試験所森林保育大楼・国際会議場(台北市) 主 催 者:行政院農業委員会林業試験所 共  催:行政院農業委員会林務局       行政院農業委員会動植物防疫検疫所 協  賛:台湾屋上立体緑化協会       台北市景観工事業協会 【挨拶・祝辞を述べられた皆様】   行政院農業委員会林業試験所  黄裕星所長   行政院農業委員会       王政騰副主委   行政院農業委員会林務局    李桃生局長   (一社)日本樹木医会     中村澄夫会長   (一社)街路樹診断協会    神庭正則会長   国際樹芸学会(ISA)中華地区分会 歐永森会長   前台北市市長・台湾大学名誉教授 黄大洲博士    台湾林業試験所・黄所長のお話では、当面は樹木医学センターにて樹木に関する情報収集を行いながら、樹木の健康診断や正しい剪定などの啓発と普及に取り組み、そして指導者の選定と育成を実施し、4年以内に台湾樹木医の認定制度を導入する予定だそうです。          樹木医学センターには10名程のスタッフが、病害、虫害、外来種、樹木健康診断などの担当に分かれて配置されています。台湾で猛威をふるっている褐根病には専門のスタッフが付きます。褐根病は亜熱帯地域で様々な樹種に根株腐朽を感染させるシマサルノコシカケ( Phellinus noxius (Corner)G.Cunn  タバコウロコタケ科)が原因で、日本では鹿児島県以南で確認され南根腐病と呼ばれています。      式典は朝9時半から始まり、講演会の最後の質疑応答が終了したのが5時半でした。丸一日かけてのイベントでしたが、その最前列で熱心にずーっと講演を聞かれていたのが、黄大洲・前台北市長です。台北市長と言えば、日本なら東京都知事に相当するような立場の人です。そのようなかたが、緑化や樹木医制度に興味を持たれていると言うのは素晴らしいことだと思うと同時に、少しうらやましい気にもなりました。  黄大洲博士は、現在、台湾大学の名誉教授に就任されています。少しお話する機会があり伺ったところ、樹木による都市環境改善に非常に興味を持たれているとのお話でした。 [...]

台湾で樹木医学センターが設立される2013-01-13T22:46:03+09:00
17 11, 2012

東京都の樹木(その2)

2012-11-17T23:32:23+09:00

高尾山を下山したあとは、府中市にある「馬場大門けやき並木」に行きました。  京王線府中駅西側にある「馬場大門のけやき並木」は、大国魂神社の参道沿い約600mにわたって植えられた、約150本のけやき並木です。  源頼義・義家が大国魂神社に参拝したときに、けやき千本を奉納して植えられたのが始まりらしいが、その後、徳川家康が馬場を寄進したおり、両側にケヤキを植えたのが、今残っている「馬場大門のけやき並木」です。  参道ですが、木の下を車がひっきりなしに通っていて、劣悪な環境のもと、多くのけやきが衰退しているのが目につきました。

東京都の樹木(その2)2012-11-17T23:32:23+09:00
14 11, 2012

東京都の樹木(その1)

2012-11-14T23:47:46+09:00

東京に一泊し、11月10日は、朝5時半にホテルを出発し、JR神田駅6時9分発、高尾行き快速急行に乗る。高尾駅で京王電鉄の高尾山口行きに乗り換える。高尾は農林水産省の研修所があり、昔、何度も行き、勉強したところなので非常になつかしかった。  さて、高尾山の登山口には7時15分に到着。高尾山に登るには、ケーブルとリフトもあるが、私は歩いて登ることにする。急な坂道をあえぎながら登ると薬王院の参道のゆるやかな道に出て、しばらく行くと「たこ杉」なるものがあった。樹高37m、幹周り6m、樹齢450年の巨樹で、写真のとおり、根がタコの足のような形をしていた。

東京都の樹木(その1)2012-11-14T23:47:46+09:00
14 11, 2012

知ろう、守ろう芦生の森シンポジウム開催のお知らせ

2012-11-14T00:18:43+09:00

芦生の森は、京都の秘境とも言われ、天然林の広がる自然の豊かさを誇っていました。 しかし、近年シカの食害により樹木や草花が失われ、以前の芦生の姿を知るものからは信じ られないような光景が生まれています。そこで、多くの府民の方々に変わってしまった芦生の 現状を知っていただき、京都府だけでなく日本全体から見ても貴重な芦生の森との関わり方を 広く府民の方々に考えていただく契機とするため開催します。 日

知ろう、守ろう芦生の森シンポジウム開催のお知らせ2012-11-14T00:18:43+09:00
12 11, 2012

天見のイチョウ

2012-11-12T23:19:46+09:00

地表面に根がビッシリと張り付いているように見えます。急な斜面地にあるため、根の周りの土が少しずつ谷側へ流れて失われ、その結果、多くの根が地表面上に露出したものと思われます。その根の流れるような曲線や複雑に絡み合った様には根の動きが見て取れます。何か動的で力強い意思のようなものが感じられました。 さて、この社殿の横に大阪府指定天然記念物の「流谷八幡神社のいちょう」があります。このイチョウは大きく立派な木ですが、急な斜面の山林地にあって周囲に大きな木がありますので、離れた所から眺めていると、このイチョウだけが特別に大きいようには見えません。

天見のイチョウ2012-11-12T23:19:46+09:00
9 11, 2012

アラカシの葉を食べる奴

2012-11-09T23:28:25+09:00

 しかし、今頃になって携帯の写真を見て思い出し、何者が食べたのだろうとインターネットで探してみると、福島県で大発生した「サラサリンガ」という蛾の報告を見つけました。そこには、「サラサリンガの被害が平成 23 年より報告されるようになりました。サラリンガは幼虫がクヌギ、ナラ類カシの葉を食害する蛾仲間で、突発的に大量生すること知られています」とあります。 また、「福島県内の森林被害は、1955年に田村郡田村町(現在の郡山市田村)で発生しており、被害面積は、中害2町及び微害1町(1町は約1ha)で、本県初の被害として報告されています。しかし、この報告以降の被害事例は、確認できていません。このように福島県内では、サラサリンガの被害事例が少ないため、分布域、被害の継続年数など、森林害虫としては不明な点が多い昆虫です」とあります。

アラカシの葉を食べる奴2012-11-09T23:28:25+09:00
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