『機器による分析技術』
鴻原弘樹2014-02-22T22:08:01+09:00衰弱した樹木の原因を特定していく際に非常な困難にぶつかることが多々あります。顕微鏡の範囲で同定できるレベルだとまだましなのですが、困ったことに培養が出来なかったり、培養しても相当な条件が整わなければ特徴のでないものだったりするものに出会うことがあります。 例えばキノコに類するものは菌糸の特徴が少ないものが多く、本当にキノコの傘ができるまで、見分けることがとても困難です。
衰弱した樹木の原因を特定していく際に非常な困難にぶつかることが多々あります。顕微鏡の範囲で同定できるレベルだとまだましなのですが、困ったことに培養が出来なかったり、培養しても相当な条件が整わなければ特徴のでないものだったりするものに出会うことがあります。 例えばキノコに類するものは菌糸の特徴が少ないものが多く、本当にキノコの傘ができるまで、見分けることがとても困難です。
「ただいま・・・。」 その日、当時高校3年生の息子は明らかに不穏な空気を漂わせて学校から帰ってきた。 「ケータイ失くした・・・。」 なるほど、それで機嫌が悪いのか・・・。しかし、私はここで頭ごなしに叱るようなことはしない。高校3年生といえばとても多感な年頃である。こういう時はあまり刺激しないよう冷静に話そう・・・と思う間もなく、横から妻の容赦ない攻撃が炸裂していた・・・。 「え~!なにやってんの?!ちゃんと大事にしいひんからそんな事になんねんやんか!」 「大事にしてるよ!してるけど失くなってんから、しゃあ~ないやろ!」 私の妻は、感情のコントロールが全くできない。息子は、自業自得だとわかっていて、やり場の無い怒りを押し殺していたのだが、妻の容赦ない攻撃によって完全に理性を失い、我が家は一瞬にして修羅場と化した。
稲村小屋で昼食をとったあと、いよいよ稲村ヶ岳めざして出発です。 稲村小屋からは踏み跡が消えていたので不安でしたが、尾根をまっすぐに進めば迷うこともないだろうと思い、樹氷に囲まれた坂を上ります。 雪はほとんど凍結している状態だったので、アイゼンだけで進むことができました。
NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。 平成26年1月は、寒い時期でもありましたので、午後からの開催とし、昨年1400年を迎えた竹内(たけのうち)街道沿いに点在し、人々の営みを見守り続けてきた貴重な古樹を訪ねました。 案内は私、宮本が担当しました。受講者は12名、総勢14名での開催です。 竹内街道は、堺市の大小路から河内平野を東に向かい、松原市南部・羽曳野市を経て太子町に入り、大阪・奈良の府県境に位置する二上山の南・竹内峠を越えて奈良県葛城市の長尾神社に至る全長26kmの街道です。 「日本書紀」の推古天皇21年(613年)の11月の条に「難波(大阪)より京(飛鳥)に至る大道(おおじ)を置く」と記述があることから、日本最古の国道(官道)と呼ばれており、2013年で1400年を迎えました。 起点である大小路から街道を行くと百舌鳥古墳群や開口神社、仁徳天皇陵古墳、金岡神社と堺市内でも歴史的な史跡が多く存在します。
正月に見た稲村ヶ岳に再びチャレンジしてきました。 世界遺産に登録された大峰山の入り口にある山上ヶ岳は、修験道の根本道場として有名な霊山で、女性の立ち入りは禁止ですが、そのなかで稲村ヶ岳は女性が登山をすることが許されていますが、なかなか厳しい山でした。 平成26年1月16日の6時過ぎに家を出発し川上村にはいると道が雪で凍結していたのでゆっくりと進み、登山口の母公堂には8時30分に到着しました。 気温は-6度で、天気は快晴ではなく曇り時々晴れ模様です。 誰もいなく登山者は私一人で、パトカーがきて、遭難した人がいるので気をつけてくださいと言われました。
年末から大掃除などでどこにも外出できず、やっと3日の日は自由になったので大峰山脈方面に出かけることにする。 家を8時過ぎに出て、観音峰登山口に10時過ぎに到着。すでに駐車場は満車でした。 10時20分に登山口を出発し、入り口の雪の積もった吊り橋を渡る。
植栽基盤整備や樹勢回復に土壌改良材は欠かせません。台湾ではどのような土壌改良材が入手可能なのでしょうか。私は台湾に適した土壌改良材を探すのに結構苦労してきました。「ネバネバ・カチカチ台湾土壌」の連載最終回は台湾の土壌改良材の実情について述べます。 ■台湾で入手可能な無機質土壌改良材 台湾で入手できる樹木植栽用の土壌改良材は限られています。特に台湾現地で製造されている無機質系土壌改良材は殆どありません。その事は台湾において土壌改良を実施する上で非常に苦労させられる所です。 加湿地でシルト質土壌や粘土質土壌の場合、通気性や排水性を高める必要があります。その改良には無機質系の土壌改良材が必要となります。有機物系土壌改良材を用いると通気性が悪い加湿土壌内では嫌気発酵を起こし、かえって土壌を悪化させてしまう危惧があるからです。 なんとか良い無機質資材が無いかと探し回りましたが、現地産の無機質系資材としては、汚泥を焼成したセラミック状の陶粒(トーリー)と呼ばれる骨材しか見つけられませんでした。陶粒は軽量で硬く扱い易い製品だと思われますが、残念ながら多孔質ではないため、通気透水性改善効果はあまり見込めません。どちらかと言うとセメント混合用軽量骨材として世界各地で使われている材料です。植栽地では地表面を覆うマルチングなどに適した材料となります。 台湾は面積が九州と同じほどですから、採取できる天然鉱物資源が限定的であるため、無機質土壌改良材が製造されないのは仕方ありません。そのような事から、真珠岩パーライト、黒曜石パーライト、バーミュキライトは園芸材料として輸入されています。保水性に優れる真珠岩パーライトやバーミュキライトは加湿地には適しません。また、ベタベタした粘性土に軟らかく崩れやすいバーミュキライトは均一に混合することもできません。 そのため、台湾での排水性・通気性・透水性の改良には、日本から輸入した黒曜石パーライトを用いています。日本から輸入された材料は船運賃や関税で高価なものになってしまいますが、それでも昨今の円安で1年前に比べると20%以上安くなり助かっています。
NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。 平成25年12月の開催は、NHK大河ドラマ「八重の桜」ゆかりの地を訪ねました。 案内は京都樹木医会の高木邦江樹木医が担当しました。 小雨のぱらつく寒い京都、受講者は12名、総勢15名での開催です。
前号までに台湾のネバネバ・カチカチ土壌の実情について記しました。それでは具体的にどのような植栽基盤整備や土壌改良をすれば良いのでしょうか。以下に先日台湾で実施したクスノキの樹勢回復処置現場を紹介します。 ■通気性(透水性)と排水対策 これまで述べてきたように、多くの台湾土壌はシルト・粘土分が多いベタベタとした通気・透水性の悪い土壌です。また、重機転圧や踏圧がかかるとカチカチに締め固まります。とりわけ台北近郊はもともと湖と湿地帯であった訳ですから、ベタベタの土壌で排水不良に十分な対策を要します。 以下に示す写真は(その2)で紹介した、台北市内中心部の公共施設外構植栽の樹勢回復処置を施したときの写真です。3年前に植えられた高さ12mを越えるクスノキは、年々樹勢が悪化し瀕死の状態となっています。基盤を調べたところ、70㎝深さで滞水が見られ、50cm深さまでは水が上下していた痕跡が見つかりました。12mを越える樹木が50cmの深さしか根が張れない状況です。また樹木周辺の埋め戻し土はSiCL(シルト質植壌土)ですが、指触法で土の固さを確認したところ、指で押した跡がかろうじて残るくらいの固く締まった土壌でした。そのような事から、確実な排水を確保し、土壌を軟らかくして通気透水性が改善できる手法を採用しました。