2 12, 2010

木材腐朽菌モデル対策現地検討会の予備調査を行いました。

2010-12-02T00:40:35+09:00

一般社団法人 日本樹木医会 大阪府支部が中心となって実施いたします木材腐朽菌モデル対策現地検討会の予備調査を行いましたので、概要についてお知らせします。 実施日:平成22年11月27日(土)午前10時~午前12時 実施場所:河内長野市内 参加者:樹木医21名 対象木:シラカシ 1本     H=9.9     W=東4.0 西3.6 南4.0 北4.3     C=2.23(H=1.3)                   天候:調査開始時は曇り、その後徐々に晴れて、後に晴天となる。 予備調査内容:高所作業車等による腐朽部分の目視及び木槌による打撃診断。 キノコ:根元部分2か所、高さ約3.0mの位置に1か所発生。種類については、同定が必要。(コフキタケか?)                         予備調査の結果:目視及び木槌による打撃診断からこのまま放置すると落下する可能性の枝もあると判断された。 詳しい精密診断が必要であるとのこと。次回の診断時に機器等を用いる予定である。                         ひと言:今回は経験豊かな多くの樹木医と共に予備調査に参加することが出来有意義な時間を過ごすことが出来ました。 今回参加出来なかった皆様もどうぞ、次回の調査時にはご参加ください。(田中 正美)

木材腐朽菌モデル対策現地検討会の予備調査を行いました。2010-12-02T00:40:35+09:00
18 11, 2010

大阪府でもナラ枯れが拡がっています。その2

2010-11-18T23:28:49+09:00

 アラカシは穿孔被害を受けても枯れにくく発見が難しいため、継続的にカシナガの発生源となっています。これは他の樹種は穿孔が辺材で止まってしまうものが、アラカシの場合は心材まで穿孔できるため「心材化」が進みにくく、枯死しにくいものと考えられています。  カシナガは非常に社会性を持った昆虫で、キクイムシのなかまの中では菌食性キクイムシと呼んでいて、雌の背中には菌を運搬する特殊な器官を持っています。 また、カシナガは糸状菌(カビ)を媒介し、それを食べていると言われていますが、実際に食べているのは酵母で、カビで樹木を殺して、酵母を栽培し、酵母を食べていることが観察で確認されています。  生活環は春先にまず雄が衰弱木を見つけて穿孔します。そして、フェロモンで雌を呼び寄せます。(集合フェロモンで、同じ木に他の雄も呼び寄せます) 雌はオスのあけた穴に入ってくるとき鳴き声を出しますが、オスはこの声で同種の雌であることを確認して、カップルになります。そしてすぐに交尾し産卵し孵化した幼虫はワーカー(働き手)として、親の手伝いをします。  たとえば、カビや酵母を孔道内で移動させたり、母親の生んだ卵を孔道の奥に運んだり、また、乳液を分泌して、幼虫同士で栄養を交換しあったり、発達の遅い幼虫を大きくなった幼虫が助けたりするそうです。(何と家族愛にあふれた虫だろうか。それに比べて我が家は……………。) このようにして、1つの孔の一家(核家族)で1年間に500から600の成虫が増産され、1本の木に100孔があれば単純計算すれば50,000から60,000の虫が発生することになります。(何と多産であることか。) 羽化は6月ごろから始まり、6月下旬から7月がピークで、10月ごろまで続きますが、フラス(穿孔から排出されるおがくず)の発生もそのころがいちばん多いようです。そして冬季は穿孔内部で成虫で越冬します。  カシナガの駆除については、秋から冬にかけて侵入した被害木に樹幹注入をするか、被害木を伐採しシートを被せてくん蒸する方法などがあります。 予防としては、樹皮に粘着剤を塗布したり、幹にシートを巻くなどの方法がありますが、手間と費用のかかる山間部では、なかなか実施が困難なのが現状です。 吹田市の万博公園でも今年、被害が確認されていますし、今後は街中でも被害が拡がる可能性があるので、注意して見守る必要があると思います。 真田 俊秀

大阪府でもナラ枯れが拡がっています。その22010-11-18T23:28:49+09:00
15 11, 2010

大阪府でもナラ枯れが拡がっています。その1

2010-11-15T23:24:59+09:00

ナラ枯れは、マツ枯れとともに現在、日本の森林の2大伝染病となっています。近年、近隣の京都府等でナラ枯れの被害発生と拡大が問題となっていますが、大阪府でもH21夏に高槻市において初めて被害が確認され、今年は島本町や吹田市、枚方市、交野市などに被害が拡大しています。また全国では26府県で被害が確認されています。  このナラ枯れとは、大きさ5㍉程度のカシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)が、産卵のため木に1~2㍉の穴をあけ入り込む際、持ち込む糸状菌(カビ)が原因で木の内部で水を通す管が目詰まりを起こし枯死する現象です。 詳しく述べると穿孔を受けた樹木は、カビの拡大を防御するために抗菌物質を生成し、辺材部も茶色く心材化しますが、心材は通水性がないので、四方八方から大量に攻撃(マスアタック)を受けると、辺材部が一気に心材化し、樹幹の通水性がなくなり、そのため一気に枯死することになるわけです。  カシナガの被害対象樹種はブナを除くブナ科に属する樹種がほとんどで、被害を受けやすい順は、ミズナラ>コナラ>クヌギの順で、常緑樹ではコジイやマテバシイが被害を受けやすいようです。 そして現在、大阪府でカシナガによる被害が出ているのは、ほとんどが大径木のコナラです。

大阪府でもナラ枯れが拡がっています。その12010-11-15T23:24:59+09:00
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