4 01, 2011

炭焼きしてます

2011-01-04T22:37:35+09:00

   保水性を改善し空気を貯える空間を豊富に持った炭は土壌改良資材として利用されてきました。  また最近は炭と菌根菌を組み合わせた樹勢回復法も各地で行われています。  樹勢回復に用いる炭は備長炭に代表される白炭ではなく比較的低い温度で焼かれた黒炭や消炭が良いようです。 宅地造成のために伐採することになった広葉樹や竹をなにか利用出来ないかという要望があり、伐採材を利用した炭焼きを提案し実施しています。  里山に作られた炭焼き窯やドラム缶窯で炭を焼くのではなく、今回使用したのはステンレス鋼板で作られた無煙炭化器という装置。 “これで炭ができるの?”という思いを誰もが持ちますが、炭を焼くときに煙が発生しないため苦情がでないという優れものです。(市役所、消防署には炭を焼く旨の届け出をしています!) 点火時には少し煙が立ち上るのですが高温での燃焼のためかすぐに無煙となります。 どんどんと伐採材を投入し5時間ほどでこの装置が炭でいっぱいに。 容積にして600L程度できあがりました。 できあがった炭はかなり砕けた状態のもの。      これをもう少し砕いたものを植栽時に土壌改良材として5%程度入れて利用する予定です。 それからせっかく炭焼きするのに飾り等に利用する炭はできないかと考え、オイル缶の中に材料を小切って詰め込み炭化器に投入したところ約3時間でそこそこのものができあがりました!           これは近隣住民さんへの配付用にしようかと検討中です。 (ニシ)

炭焼きしてます2011-01-04T22:37:35+09:00
3 01, 2011

妙国寺の手水鉢

2011-01-03T23:01:22+09:00

   妙国寺と言えばソテツが有名であるが、千利休寄進の瓢(ふくべ)型手水鉢も忘れてはならない。この手水鉢はこれだけをみると何の変哲もない物で、利休ゆかりの品というには余りにも面白みがない手水鉢にみえる。ただ一つ変わったところがあるとすれば、水抜き穴があいているところである。そこでその穴について考えてみた。  千利休と言えばまず思い浮かぶのは「おもてなしの心」である。その思いから考えると、「水を抜く」ではなくて「水を満たす」穴ではないか、噴泉の穴ということであれば利休らしくて面白い。  ではどうやって水を出すのか考えてみる。普通は川から懸け樋で水を引く。ここでは土居川が 近くにあるので、この水を水車で持ち上げ、懸け樋を流れた水が軒上の桶に溜まり、上からの水圧を利用して水を噴出させるという方法だろう。もちろん噴出させるには桶と手水鉢をパイプでつなぐ必要があるが、銅板を丸めて筒状にパイプを作るのは当時の技術では容易に出来たであろう。手水鉢の穴の下には左上から右下にかかる大きな溝があり、深さ7~8cm、巾4~5cm程でパイプを隠すには手ごろな大きさである。パイプを埋めて漆喰をかぶせ、その上にシダや苔等を配置すればパイプの存在はまったく判らなくなる。水の出口も水鉢の底にある為、光の屈折により見えなくなるであろう。  ところが、土居川の水では、いくら当時はきれいな水であったと言っても「おもてなしの心」には程遠いものがあり、お客様に対する気配りを考えると、井戸の水を利用するであろう。  現在のように、水道の蛇口をひねると水が出るという時代ではないので、井戸の水の利用の仕方にも工夫を凝らしたに違いない。  一番簡単な方法を考えてみた。  井戸の蓋に2か所穴をあけ、1か所には銅板のパイプを水面まで差し込み、もう1か所は足踏み式のふいごと 接続しておく。井戸の内部は漆喰や粘土で密閉してしまう。ふいごに風を送り、 圧力をかけることにより、パイプを伝って水を送り出すという方法はどうであろう。客が見えたときに、寺の小僧にでもふいごを踏ませると、その間は水が出ているという考えである。もちろん小僧や井戸は衝立で仕切られ、客の目に触れることはないし、パイプも地面に埋めて見えなくする。  当時、なんでもない石から水がわくという事は、世間の人々を非常に驚かすことであっただろうし、こういったシステムそのものを寄進した、利休という人物の奥の深さを物語るものではないだろうか。   すべては私の空想の産物ですが 。                        MM:記

妙国寺の手水鉢2011-01-03T23:01:22+09:00
1 01, 2011

新年明けましておめでとうございます。平成23年元旦

2011-01-01T13:43:26+09:00

 ついに2011年がスタートしました。  旧年中はNPOおおさか緑と樹木の診断協会に多大なるご協力とご支援を頂きましたことを お礼申し上げます。  本年も様々な取り組みや、おもしろ情報をこのブログから発信していきたいと思っております。  どうぞ、よろしくお願いいたします。

新年明けましておめでとうございます。平成23年元旦2011-01-01T13:43:26+09:00
26 12, 2010

日本樹木医会を訪問しました。平成22年12月22日

2010-12-26T22:43:45+09:00

  我々、樹木医の本丸です。数年前に独立開業したこの場所を一回は見ておきたいと、大阪・堺大会のお礼、大阪での活動報告を兼ねての突撃レポートです。 ①東京駅からJR山手線で16分、160円。駒込駅を下車。駒込駅のホームは掘割になっており、法面がツツジの大刈り込みで緑化され、背景には桜の並木も・・・春には華やかになることでしょう!     ②事務所は六義園の東側に皮一枚で立ち並んだ細長いマンションの1室です。道中には花屋さん、藍染の工房、蕎麦屋など魅力的な商店が軒を連ねています。     ③歩道幅も狭くビルは敷地いっぱいに立っていますが、街路樹のイチョウはイチョウらしく剪定されていました。土壌の組成の違いもあるでしょうが、大阪ではこうはいきません。     ④事務所はマンションの3階にあります。窓の外には六義園。あこがれますね、この環境。冬のこの時期、野鳥が元気に飛び交っていました。手を伸ばせばとまってくれそうです。       ⑤事務局長の大島さん(右)と箕輪さん(左)です。お昼休みにも関わらずお相手して下さいましてありがとうございました。     ⑥お昼ご飯は、お蕎麦屋さんです。夜のメニューも充実しています。私は生粉(きこ)そばを注文しました。関西のうどん文化に対し、東京はそば文化です。おいしかった。     ミヤモトヒロユキ

日本樹木医会を訪問しました。平成22年12月22日2010-12-26T22:43:45+09:00
19 12, 2010

お城の根と防風林

2010-12-19T12:09:53+09:00

■植物の逞しさ ●写真は、とあるお城の城壁。 そこには、大きな樹木がありました。 秋になると鮮やかな黄色に紅葉し、皆を楽しみにして癒してくれてました。 城壁の際に威風堂々と生育しています。 でも根が伸びていくスペースがありません。どんな風に根が伸びているかです。                       どういう風に生きているか?石をめくって見ますと・・・         このように、石の隙間に細根が蔓延ってるのが判ります。この部分から水分や養分を吸収しているんですね。     ● 防風林 これは北陸のある防風林の写真です。   施工後3年は経ってます。風の強さから植林全体が、風の吹く方向に傾斜しているのが 判ります。防風林は、風害や塩害・保水不足等の外的な障害要因が多く存在します。生育環境は過激ですが、木々達は細々だけど逞しく生育しています。                 そしてハマナスの一輪の美しさが嬉しいですね。   ハマナス バラ科 Rosa rugosa 果実は直径2~3cmの扁球形で8月~9月に食べられる。 花は香水の原料に根と樹皮は染料として利用される。 [...]

お城の根と防風林2010-12-19T12:09:53+09:00
13 12, 2010

高天原及葦原中国、自得照明 (古事記)

2010-12-13T22:04:44+09:00

 わが家のベランダから大阪の市街地が一望でき、金剛・生駒の秀峰も楽しむことができます。    真正面は、大津皇子の悲話が伝わる二上山です。晩秋から早春にかけて、北生駒の日出は物凄い。    神神しいとは正にこのことだと思います。    大津皇子の后、殉死した山辺皇女の霊魂か、伊勢神宮の斎宮を解任された大伯皇女の同母弟への熱い想いか、 メラメラと真っ赤なお天道様が昇ります。    市販の暦によりますと、東京では11月22日の小雪の日は、日出が6時23分。                 12月22日の冬至の日では、日出は6時47分と書かれています。  北生駒の日出は、11月4日(木)が6時24分。          11月21日(日)は6時40分。          11月29日(月)が6時48分でした。  写真の日出は、北生駒の交野山付近です。  冬至に近づくにつれて、南へ南へと移動し、生駒山に近づきます。  12月2日(木)は日出が6時53分でした。  約4分後の6時56分に全円になりました。  それ以降は光が強くなり過ぎてデジタルカメラのシャッターが下りませんでした。                                  澤田 清      

高天原及葦原中国、自得照明 (古事記)2010-12-13T22:04:44+09:00
12 12, 2010

シラカシの診断(木材腐朽菌モデル対策現地検討会)

2010-12-12T23:51:13+09:00

 平成22年12月11日(土)午前10時30分から河内長野市のとある公園にてシラカシの研修を兼ねた、診断をNPOおおさかと日本樹木医会大阪府支部との合同で実施してきました。  当日は、東京にある日本緑化センターからもこの診断に同行されました。大阪・京都・奈良の樹木医総勢27名もの参加がありました。  内容は、外観診断に始まり、地下部では根系調査(根の状態を調べます。どのあたりから根が出ているかを見ることで木の活力等の判断材料とします。)、透水試験(どの程度の水はけがあるのかを穴を掘って水を注ぎ、その減少量で調べます。)、土壌硬度(地面に計測用の棒を打ち込んでいきます。同じ重さの錘を落として1回に沈んでいく距離で土壌の硬さを立体的に調べます。)、地上部では高所作業車を利用した枝部分の腐朽状態の確認(目視等で確認します。)、レジストグラフ(キリをドリルで樹木に打ち込んでその抵抗値で枝や幹の中の腐り具合を調査します。キリの太さは非常に細く樹木への影響は少ないです。)、ガンマ線(いわゆるレントゲン写真のようなものです。樹木を傷つけることはありませんが、設置に一苦労です。)を利用した枝・幹部の腐朽調査などが行われました。  しかも、お昼にはNさん特性の手作りカレーにナン、さらには差し入れのデザートまで付いて診断共に大満足の有意義な一日となりました。  今後とも、NPOおおさからしい、あったかい雰囲気でお願いします。                                                (KO)                  

シラカシの診断(木材腐朽菌モデル対策現地検討会)2010-12-12T23:51:13+09:00
10 12, 2010

堀越癪観音

2010-12-10T22:03:04+09:00

  ここは大阪府河内長野市の南部にある滝畑ダムの付近です。 紅葉が綺麗ですね。 この辺りは緑が豊かでとても気持ちの良いところです。 春から夏にかけては滝畑キャンプ場の利用者で混み合うこともあるのですが、寒い時期には訪れる人も少なくなります。 今日はこの滝畑ダムから南へ少し足を延ばしてみましょう。 通る道は府道61号です。 山中の小川に沿って、県境の尾根へと登ります。 この道は舗装されているものの狭いうえに傾斜も急なため、自動車の通行には向いてません。 自動車の運転に自身のある人以外は通らない方が良いでしょう。 特に冬期は路面の凍結もあって危険です。 さて、滝畑ダムから府道61号を8kmほど南へ進んだところに県境の蔵王峠があります。 この辺りから先は和歌山県かつらぎ町です。 ここで、この看板の「堀越観音」の方へ進みます。     およそ2km進んだところで山間の集落に出ます。 集落は寂しいくらいにひっそりとしています。 初冬の寒空が余計にそう感じさせるのかもしれません。     この静かな集落に堀越癪観音があります。 小さなお寺です。 確か、このお寺には大きなイチョウの木があったはずです。 ここまでの道中では木々が色付いてとても綺麗でしたので、ここのイチョウの黄葉も素晴らしいに違いないと期待が膨らみます。 ・・・ですが、時期が少し遅かったようです。 もうすっかり落葉してます。     山間では黄葉の時期はずっと早かったのでしょう。 残念ですね。 このイチョウの木は幹周りが3mほどもあります。 この大きさからするとかなり古い木であることは間違いありませんので、どれくらい古いのかをここのお寺に方に尋ねてみることにしました。 「あのイチョウの木の樹齢はどれくらいでしょうか?」 「わかりません。」 山間の寒さが身に沁みます。 もう帰ろうかとも思ったのですが、少し気になることがありましたので、再度お尋ねすることにしました。 というのも、イチョウの枝の根元の方に以前に強く剪定された跡があったからです。 これほどの大きな木なら、もう少し剪定を控えめにすると、もっと雄大な樹形になるはずです。 それを、ここまで枝を切り詰めるのは何か理由でもあるのだろうかと思ったからです。 「あのイチョウの木はかなり枝を剪定してるように思うのですが・・・」 「切ってます。切るときはバッサリ切ります。横に本堂があるし、天然記念物のサザンカもあるし・・・」 ・・・なにっ!? 天然記念物!? 「そ、そのサザンカはどこにあるのですかッ!?」 「その石垣の上に・・・」 なんと、イチョウのすぐ横に立派なサザンカの木がありました。   [...]

堀越癪観音2010-12-10T22:03:04+09:00
7 12, 2010

剪定と剪定された断面

2010-12-07T23:34:59+09:00

   都市の憩いの空間、木陰のある風景。木漏れ日のあるお庭。紅葉とイルミネーションに色づく街路樹。いずれも人と樹木が同じ空間で共存することの大切さを教えてくれます。  さてさて、“共存”なんて言うからには、お互いに譲り合いが大切だと思うのですが、こと緑に対しましては、概ね人の都合を樹木に押し付けてしまって、樹木は黙って耐えてもらうという状況がそこかしこに溢れています。  例えば剪定作業。専門家の目からはぎょっとするような道具でエイヤッ!エイヤッ!と木と格闘されている風景などをよく目にしますし、木の生命力にカツカツのところまで切り込む姿も目に付きます。都市環境にある樹木につきものの剪定作業なのですが、木に与える影響の如何についていつも気になります。  そこで、剪定ばさみを3種用意しまして、柿の小枝を切断し、その断面を観察してみました。           (左)手入れがされていない非常に廉価で刃がもろい剪定ばさみ   (中)研いでから数日使用した刃が柔らかい剪定ばさみ   (右)研ぎたての鋼の硬い剪定ばさみ   の3種の剪定ばさみで写真のように柿の小枝の上部をナナメに剪定し、下部は枝に垂直に剪定します。                     この切り口を約220倍に拡大して見てみると手入れがされていない非常に廉価で刃がもろい剪定ばさみではナナメに切った断面には大きなケバ立ちが見られます。また水平に切断した断面は、なんとなくモヤモヤしています。               次に研いでから数日使用した刃が柔らかい剪定ばさみでは、ナナメに切った部分はそれなりにケバ立っています。垂直に切った断面は先ほどの手入れがなされていないハサミに比べ非常にスッキリとした断面で比較的にみずみずしく切れていることがわかります。               研ぎたての鋼の硬い剪定ばさみでは、ナナメに切った部分では3種の中で最も綺麗に切れており、何より垂直に切った断面では、上記の2種には無いツルツルした断面の組織が見られます。  剪定ばさみの性質上、片面の刃で枝を押し切る動作になるので、切断の最終部分にはケバ立ちが出やすく、断面は刃が鈍いほど切断面の組織が押し潰されてしまいます。肉眼で見た場合の断面は3種とも大して変わらないのですが、実際の切断面の表面積には大きな違いが出ます。     [...]

剪定と剪定された断面2010-12-07T23:34:59+09:00
6 12, 2010

樹木巡礼 ブログ版 ①

2010-12-06T23:16:59+09:00

   岐阜県の根尾村にある有名な淡墨桜です、開花期にはこの淡雪のような花弁が人々を悠久の時へと誘います。  遥か1500年前の伝説に始まり、昭和23年の根接手術や、昭和44年の作家の宇野千代さん等の保護事業が 有名ですが、その根底にあるものは、やはり人々の桜に寄せる想いなのでしょう。  わが国の風土とりわけ豊かな山河や森、それと寄り添うように暮らしてきた先人たち、その先人たちが春の喜び とともに眺めたであろう桜たち、そんな想いや感性を、そして樹や森を、次の世代へと伝えて行きたいものです、 いや!伝えねばならないのでしょうね、、、。                                               カワグチ。

樹木巡礼 ブログ版 ①2010-12-06T23:16:59+09:00
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