天の石屋戸の小竹(古事記と日本書紀)
鴻原弘樹2014-08-30T23:20:22+09:00故(カレ)ここに天照大御神、見畏(ミカシコ)みて、天の石屋戸(アメのイハヤト)を開きてさし籠(コモ)りましき。 ここに高天の原(タカマのハラ)皆暗く、葦原中國(アシハラのナカクニ)悉(コトゴトク)に闇し。 中略 天宇受賣命(アメノウズメノミコト)、天の香山(アメのカグヤマ)の天の日影(アメのヒカゲ=ヒカゲノカヅラ)を手次(タスキ)に繫(カ)けて、天の眞折(マサキ=ツルマサキ)を鬘(カヅラ)として、天の香山の小竹葉(ササバ)を手葉(タグサ=手に持ち加減のよいほどに束ねる)に結(ユ)ひて、天の石屋戸に槽伏(ウケフ)せて蹈み轟(フミトドロ)こし、神懸(カミガカ)りして、胸乳(ムナチ)をかき出で裳緒(モヒモ)を陰(ホト)に押し垂れき。ここに高天の原動(トヨ)みて、八百萬の神共に咲ひき。 後略 岩波文庫 古事記 倉野憲司校注 1991・6