滝畑ダムの周辺

滝畑ダムの周辺

 

ここは大阪府河内長野市の南部にある滝畑ダムの付近です。
紅葉が綺麗ですね。
この辺りは緑が豊かでとても気持ちの良いところです。
春から夏にかけては滝畑キャンプ場の利用者で混み合うこともあるのですが、寒い時期には訪れる人も少なくなります。
今日はこの滝畑ダムから南へ少し足を延ばしてみましょう。

通る道は府道61号です。
山中の小川に沿って、県境の尾根へと登ります。
この道は舗装されているものの狭いうえに傾斜も急なため、自動車の通行には向いてません。
自動車の運転に自身のある人以外は通らない方が良いでしょう。
特に冬期は路面の凍結もあって危険です。

さて、滝畑ダムから府道61号を8kmほど南へ進んだところに県境の蔵王峠があります。
この辺りから先は和歌山県かつらぎ町です。
ここで、この看板の「堀越観音」の方へ進みます。

 

堀越観音方面へ

堀越観音方面へ

 

およそ2km進んだところで山間の集落に出ます。
集落は寂しいくらいにひっそりとしています。
初冬の寒空が余計にそう感じさせるのかもしれません。

 

堀越癪観音近くの集落

堀越癪観音近くの集落

 

この静かな集落に堀越癪観音があります。
小さなお寺です。
確か、このお寺には大きなイチョウの木があったはずです。
ここまでの道中では木々が色付いてとても綺麗でしたので、ここのイチョウの黄葉も素晴らしいに違いないと期待が膨らみます。

・・・ですが、時期が少し遅かったようです。
もうすっかり落葉してます。

 

 

山間では黄葉の時期はずっと早かったのでしょう。
残念ですね。

このイチョウの木は幹周りが3mほどもあります。
この大きさからするとかなり古い木であることは間違いありませんので、どれくらい古いのかをここのお寺に方に尋ねてみることにしました。
「あのイチョウの木の樹齢はどれくらいでしょうか?」
「わかりません。」

山間の寒さが身に沁みます。
もう帰ろうかとも思ったのですが、少し気になることがありましたので、再度お尋ねすることにしました。
というのも、イチョウの枝の根元の方に以前に強く剪定された跡があったからです。
これほどの大きな木なら、もう少し剪定を控えめにすると、もっと雄大な樹形になるはずです。
それを、ここまで枝を切り詰めるのは何か理由でもあるのだろうかと思ったからです。

「あのイチョウの木はかなり枝を剪定してるように思うのですが・・・」
「切ってます。切るときはバッサリ切ります。横に本堂があるし、天然記念物のサザンカもあるし・・・」
・・・なにっ!? 天然記念物!?
「そ、そのサザンカはどこにあるのですかッ!?」
「その石垣の上に・・・」

なんと、イチョウのすぐ横に立派なサザンカの木がありました。

 

天然記念物のサザンカ

天然記念物のサザンカ

 

樹高は4mくらい、幹周りは2mくらいあるでしょうか。
堂々とした樹形で、今までに見たことのないほど立派なサザンカです。
看板には「和歌山県指定文化財」、「さざんかの老樹」、「推定樹齢五~六百年」と書いてあります。
五~六百年前といえば戦国時代の頃ですね。
古い木です。

先ほどのイチョウの剪定は、イチョウの枝葉でこのサザンカが陰にならないように、イチョウの枝葉をバッサリと剪定してこのサザンカへの日当たりを確保していたのでしょう。
お寺の方によると、イチョウの木は剪定しても元気に枝葉を伸ばすそうです。

今回はイチョウの黄葉を見ることができなくて残念でしたが、思わぬところで立派なサザンカを見ることができ、大阪から足を延ばした甲斐がありました。

(うどん子)