センダンの大木

センダンの大木

 

 我が家の近くに古墳が2ツあります。 
 小さい方の古墳の土手にセンダンの大木が自生しており、薄紫の花々から仄かな芳香が漂ってきます。
 白檀(ビャクダン)や紫檀(シタン)の香木は、栴檀(センダン)と呼ばれて珍重されていますが、
日本には自生しない樹木です。
 日本古来の樹木としては、晒し首の木 センダン(古語は棟 あふち)があります。
 清少納言は、枕草子(1001年頃成立)に「木のさま にくげなれど 棟の花 いとおかし。
 かれがれに 様異(さまこと)に咲きて かならず 五月五日にあふも をかし。」
いと優雅に書いています。

 が、平安時代からは切り落とした罪人の首を掛ける木になりました。 
平安京には左獄と右獄の門の外側に棟が植えられていたそうです。

 壇ノ浦の戦いで破れた平家は、総大将の平宗盛(平清盛の子息、元内大臣)が源氏の捕虜となり
(1185年3月24日)、鎌倉に送られて源頼朝に会見した後、平安京に送り帰される途中、近江国篠原で首を刎ねられました。

 1185年6月21日のことです。
 検非違使庁に引き渡され、平宗盛と子息の平清宗は左獄門の棟に晒されました。 
今から826年前の6月23日でした。
(日本の歴史 源平争乱 研秀出版 1976)
澤田 清

 

センダンの花

センダンの花

 

センダンの実、種子

センダンの実、種子