ツリーイルミネーションが、最近盛んに行われるようになっていましたね。
熱を持たないLEDの照明が開発され、以前白熱球のものより樹木の生育への悪影響は少なくなっていますが、
不用意な取り付けが樹木を傷めている事例が多くみられます。
写真はあるショッピングセンターの樹木です。
先枯れしており、初め見たときには、きっと土壌に問題があるに違いないと思っていました。
しかし近づいてよく見ると原因は土壌ではなく、イルミネーションだったのです。
イルミネーションが被覆番線で幹や枝に結束されており、
樹木が成長し写真のように番線が見えなくなるまで幹が巻き込んでしまっています。
巻き込まれた番線が、水や栄養分の流れを阻害し、枝を枯らしてしまったという訳です。
他の場所でもこのような状況になっている場所が結構ありますが、
それはイルミネーションの取り付けが,樹木の性質を理解していない電気業者さんなど
によって行われていることが多いからでしょう。
樹木の成長に合わせてバンドを緩めるような締め方の工夫を、
われわれ樹木医の方からも提言し、ビジネスにつなげていくことが必要ですね。
19期當内 匡