イチョウは中国原産の落葉高木で、葉を見るとアヒルの足に似た広葉樹みたいな葉をしていますが、実は針葉樹です。
公園や街路に多く植栽されていますが、神社やお寺には巨木といわれる大きな木があるので、ずっと大昔からあったと思われるかもしれませんが、日本には今から約1,000年くらい前の平安時代に入ってきたとされています。
日本各地でイチョウの化石は出土しているので、もっと以前から日本にあってもよいと思いますが、万葉集や古今和歌集には多くの植物が詠まれているなか、イチョウの記述はありませんので、それ以降に出現したと想像されます。
イチョウは北海道から九州にわたり万遍なく分布していますが、その中でイチョウの巨木といわれるものは東北地方に多くあり、とりわけ青森県には全国の上位20本のうち7本までがあります。
イチョウは昔から人々との関係が深い木で、全国にイチョウにまつわる信仰や伝承が多く残っていますが、その中でも気根に関するものはたくさんあり、気根が多く出ているイチョウに願い事をしたり、気根を煎じて飲んだりすれば、母乳の出が良くなるという言い伝えはあちこちに残っています。
まさにイチョウはクスノキとともに日本を代表する信仰の木と言えるでしょう。
青森県のイチョウの巨木には、どれも祠が祀ってあり、古くから信仰の対象として大切に保護されてきたことがわかります。
前回に、「北金ヶ沢の大イチョウ」と「折曾のイチョウ」を紹介しましたので、今回は残りを紹介します。それぞれ伝承がありますが、文面の関係で写真だけの紹介です。
真田 俊秀