今年の桜の開花は、本州では3月21日に高知からスタートしましたが、2月、3月の平均気温が低かったので、例年に比べ全国的に開花は遅れています。
大阪では4月10日頃が満開のようですが、今回は四国の1本桜を見るため4月5日に大阪を出発。最初に徳島県つるぎ町にある「吉良のエドヒガン」を目指します。つるぎ町は四国の名峰「剣山」の麓に位置し、巨樹・巨木が多くありますが、なかでも「赤羽根大師のエノキ」は日本一の大きさで国の天然記念物に指定されています。
さて、四国の細くて急峻な山道を登り、やっと「吉良のエドヒガン」に着きました。しかし花は全然咲いていません。地元のおじさんに聞くと、例年なら咲いているが今年は遅れているとのこと。がっかりして次は高知県を目指します。
高知県といえば仁淀川町の「ひょうたん桜」が有名です。ひょうたん桜の由来は蕾がひょうたんの形に似ているからですが、品種はエドヒガンで別名ウバヒガンとも言います。
仁淀川町の、これまた細くて急峻な山道を登ると「ひょうたん桜」公園に到着。あたりは、エドヒガンが多くあり、なかでもこの「ひょうたん桜」は樹齢500年、根元周り6mのとても優美な桜で、ちょうど見頃でした。
幹にはしめ縄、根元には神棚が祀ってあり、また幹は腐朽の治療をした跡があり地元で大切に守られてきたことがわかります。
仁淀川町は愛媛県と県境を接し、土佐から伊予に通ずる要衝の地で、江戸時代には国境を守る関所が置かれていました。その関所の番所役として永くその役目を勤めたのが市川家で、市川家にはその2代目が植えたしだれ桜が満開でした。
真田俊秀