先週、9月末にオープンするソウル新市庁舎に行ってきました。丁度、旧庁舎からの引越し作業が始まった状況でした。オープンに先駆けてソウル新市庁舎の壁面緑化を紹介しておきます。
外観は湾曲したガラスパネルで構成された斬新なデザインの建物です。韓国の伝統的な建物にある軒先をイメージしてデザインされたとの説明を受けました。新庁舎は省エネに配慮された設計となっているようです。冬場はマイナス20℃にもなるソウルの気候に配慮して、ガラスパネルを通して太陽光が降り注ぎ、夏場は広大なアトリウムに風の通り道を確保して、空調エネルギーを削減するようです。
なお、旧市庁舎は日本総督府時代に建てられており、今後は文化財として図書館になるようです。
この建物の広大な吹き抜け空間に世界最大級のアトリウム壁面緑化がなされています。7階までの高さで、幅100mに渡る規模です。その規模とデザインは訪れた人達を驚かせます。シンガポールのチャンギ空港にも広大な壁面緑化がなされていますが、チャンギ空港は登攀型の壁面緑化がなされているのに対して、ソウル市庁舎は数え切れないほどのポット植物を植え込んだ密度の高い壁面緑化に仕上がっています。よくこれだけ植え込んだものだと感心させられます。まず日本ではありえない規模の壁面緑化です。
植え付けは30cmピッチ程度で何段もの雨どいのような横に長いプランターが壁に取り付けられ、その中に無数のポットが植栽されています。
どのように管理していくのかが気がかりです。規模が大きいだけでなく壁面は曲面になっています。上からゴンドラを吊り下げての作業ではすべてに手が届きません。アトリウム内に7階まで届く高所作業者でも入れるのでしょうか?今度機会があれば管理方法を聞いておきます。
また、雨とい状プランターの中には有機物(ココナッツピート)が主体の配合土壌がいれられ植栽されているのですが、有機物量が多く土壌の分解減容が心配です。
しかし、これだけの規模の壁面緑化は圧巻です。韓国では緑化に対する熱意にすごいものがあります。日本でもこんな規模の壁面緑化を作ってやろうとのチャレンジャーはいないものでしょうか。
ボリューム満点の壁面緑化を見ていると、韓国の食事と会い通じるものがあるなと思った次第です。韓国の食事は数多くの食材がテーブル狭しと並びます。キムチやナムル類だけで数種類も出てきます。大食漢の私ですがいつも食べ切れません。ご馳走様でした。。。。
笠松滋久