枚方市光善寺にある大阪府天然記念物の「光善寺のサイカチ」は、今、樹勢回復処置が実施されている。サイカチはマメ科の樹木で、特徴として大きいものでは長さ30cmのねじれた豆果をつけ、昔はこれを石けんの代用にした。
ところで、京阪電車光善寺駅を出て西北に100m行ったところに「遠州屋」という和菓子屋がある。ここで「郷土銘菓さいかち」(420円/個)というお菓子を販売している。包装紙には「光善寺のサイカチ」の絵が描かれていて、中をあけると大きな焼饅頭が出てくる。饅頭の表面にはサイカチの豆果の模様があり、中は、白餡に包まれて粒あんがまるで豆みたいに散らばっている。食べてみると優しい風味がしてどこか懐かしい味のする饅頭である。まさに名木「光善寺のサイカチ」にぴったりの銘菓である。
そして同じ京阪電車の萱島駅から西に100m行ったところに「まむ多」という和菓子屋がある。ここの住所は門真市になるそうで、ここでは「楠どら」(130円/個)というお菓子があり、萱島駅にある「萱島のくす」をイメージしたものかと思っていたら、「萱島のくす」は寝屋川市にあり、「楠どら」は昔から門真市にたくさんある楠をイメージして作られた和菓子だそうである。
門真市にある名木といえば、国の天然記念物に指定されている「薫蓋樟」がある。その「薫蓋樟」をイメージした和菓子が「まむ多」にある。一個1,300円で名前もずばり薫蓋樟と言い、包装箱に「薫蓋樟」の絵が描かれていて、中には解説書まである。
中のお菓子はというと、緑色の蒸しカステラで栗と粒あんをはさんでいて、カステラは葉を、栗と粒あんは幹を連想させる。食べてみるとヨモギの香がし、昔なつかしい味のするお菓子である。まさに名木に銘菓ありである。
私は、辛党であるが、こういった名木にちなんだ銘菓をおいしいお茶と一緒に味わうのもいいもんだと思った次第である。
真田 俊秀