平成26年4月17日(水)、長野県は暖かいうす曇の天気であった。桜を求めて北上する。
まずは飯田市の東方にある喬木村(たかぎむら)にある「氏乗のシダレザクラ」を目指す。
山の中の狭い道を進むと小さな集落があり、すぐこのシダレザクラが目に入ってきた。この場所は、小学校の跡地で、110年前に入学記念の時、植えられた桜らしい。
樹高は22m、幹周りは3.3mで多弁(半ハ重)のベニシダレザクラで、樹形の良い品のある桜でした。
次は、約20kmほど北上し、中川村のひなびた山村にある「西丸尾のシダレザクラ」を訪ねた。
美里西丸尾地区の山中にある一軒家の小池邸に咲く桜で、地元では「小池の桜」と呼ばれている。満開の時期を過ぎて、花色は紅色から薄い白に変わっていたが、非常に堂々とした華麗な桜である。
樹高は16.4m、幹周りは5.0mあり、樹勢は非常に良く、立派な幹をしていた。
「西丸尾のシダレザクラ」から約30km北上し、箕輪町にある「中曽根の権現桜」を訪ねる。「権現桜」と呼ばれるのは、樹下に祭ってある祭神が熊野権現のため、そう呼んでいるそうである。
根元から1.5mの高さで東西に二枝に分かれ、東西の花の色が微妙に違っていた。これは、元は2本の桜だったのが癒着して一本の桜になったものとも言われている。
樹高は18m、幹周りは10mもあり、樹齢は1,000年とも言われている古木である。
木の幹は空洞が出来ていて、治療の跡が痛々しいが、これは明治35年の落雷による火災により焼けた跡らしい。それにしても非常に風格のある桜でした。
「西丸尾のシダレザクラ」から「中曽根の権現桜」に向かう途中で、雪を被った中央アルプスの山並みが見え、昔この山を縦走した頃の思い出が走馬灯のように頭をよぎり、懐かしかった。
真田 俊秀