平成25年4月18日(木)朝からいい天気である。今日は長野市郊外の桜を見ることにする。まずは飯綱市にある「袖之山のシダレザクラ」を訪ねる。ここは標高約700mくらいあり、平地に比べ春の訪れが遅く、サクラもまだつぼみだった。遠くには雪をかぶった飯綱山(1917m)が望める風光明媚なところである。
「袖之山のシダレザクラ」は、幹周り5.1m、樹齢300年以上の古木で、長野県の天然記念物に指定されている。幹はゴツゴツとして岩みたいな樹肌をしていたが、根もたくましく途中で地上に出てがっしりと樹体を支えていた。
「袖之山のシダレザクラ」から1kmほど南西に行くと「地蔵久保のオオヤマザクラ」がある。オオヤマザクラは、四国の石鎚山系と本州の中部地方以北に分布していて、大阪では自生の木はないので、普段はあまりお目にかかれない木である。
どんな木かワクワクしながら行ったが、残念ながらまだ見頃ではなかった。
「地蔵久保のオオヤマザクラ」は、幹周り5.1m、樹高15.5mで大きく枝を広げた姿は均整がとれていて、きれいな樹形である。この木も長野県の天然記念物に指定されているが、近年、病気にかかり樹木医の治療を受けていると地元の人が教えてくれた。
よく見ると枝の先の方は、少し咲きかけていたので、望遠レンズで撮影してみた。ピンク色のかわいい花であった。満開の時の様子を是非見てみたい木である。
次は長野市の中心から約6km西の位置にある「塩生(しょうぶ)のエドヒガン」を訪ねる。車で目的地に向かっていると途中で工事のため通行止めとなっていた。しかたなく山の中を1kmほど登る。初夏を思わせる天気で汗だくとなり、やっと峠にたどり着く。ここは戸隠方面に通ずる古道になっていて、この桜は「巡礼桜」とも呼ばれ、昔から旅人の心を癒したものと思われる。以前は、幹周り8~9mもある大木であったが、枯死し、今あるのは、新しく芽生えた2代目らしい。
それでも現在の桜は、樹高18.2m、幹周り7.3m、樹齢700年の古木だが、根元のすぐ近くを舗装された道路がとおり、根も大分傷んでいるものと思われる。幹も腐朽が目立ち、昔から由緒ある桜が、このままでは、衰退するばかりであろう。なんとか手立てを講じて欲しいとせつに思った。
最後に長野市の善光寺から北西に約4kmほど、険しい山の中を行ったところにある、素桜神社に行く。ここにある「神代桜」はその昔、素戔鳴尊(すさのおのみこと)が桜の杖を池辺に挿したものが根付いて成長したものと伝えられ、昭和10年に国の天然記念物に指定されている。
幹周りは11.3mもあり根元から四方八方に幹が分かれ、空一杯に枝を伸ばしている。
花は枝先にこぼれんばかりにつけていたが上にいくほど少なくなっていた。
地元の人の話では、昔に比べ樹勢が弱っているということで、樹木医による樹勢回復処理が現在も続いているそうである。
それにしても、非常に立派な貫禄のある桜でした。
真田 俊秀