JR茨木駅西側にある春日丘高校の前の通りはユリノキの並木道になっている。
なかなか立派なユリノキの並木であるが、まだ一度も花が咲いているのを見たことがない。これは、毎年、夏が過ぎるとバッサリと強選定をするせいだと私は思っている。
ところで、このユリノキの並木に混じって1本だけ別の木が植えられている。
知る人ぞ知るジャカランダという木である。ジャカランダは中南米原産のノウゼンカズラ科に属する樹木で、見かけはアカシアやネムノキに似ている。羽状複葉の歯は涼しげで、初夏には薄い青紫色の花を咲かせる。ユリノキが花を付けない代りに、このジャカランダは毎年、花をつけ、通行人の目を楽しませてくれていた。
晩秋に茶色に紅葉した葉は、冬から春にかけてなかなか葉を落とさず、まるで枯れ木のようで、独特の風景を醸し出していた。
今年の6月に何気なくジャカランダを見ると、バッサリと枝が切られ、葉はわずかに少しだけ残されていただけだった。無理に剪定したらしく、残された幹も大きく樹皮がはがされていた。
この切り方ではジャカランダは、枯れてしまうのではないかと私は危惧していたが、やはり夏を過ぎても新しい枝は出ず、残っていてわずかの枝も枯れてしまった。
そして、秋には伐採されてしまい、今はその面影さえなくなってしまった。
今まで、初夏の花を見るのを楽しみにしていたが、これで楽しみもなくなった。まったくあっけないものである。それにしても・・・・・・・・
真田 俊秀