平成26年4月も下旬になり、大阪ではサクラは既に散ってしまい葉桜を見るのみである。
そんな中、私は奈良県天川村の309号線を車で走行していた。この道は冬の間は積雪のため閉鎖されていたが、昨日、やっとゲートが開けられ通行できるようになったばかりである。
車の窓越しには、見ごろを迎えたヤマザクラがあちこちに見える。ヤマザクラは葉の色も様々だが、花の時期も早いものから遅いものまで多岐にわたっている。
しばらく車を進めると川迫川沿いの河原に紅色の花をつけたサクラが目にはいった。何だろうと思い、車から降りてよく観察すると、オオヤマザクラであることがわかった。
そこからしばらく進むと神童子谷という渓谷がある。林道があるが落石等で荒れていて車は無理である。しばらく歩いていると、ここでもオオヤマザクラがあった。
なかなか立派なサクラである。
オオヤマザクラの花はヤマザクラよりも花がやや大きく、色も濃い紅色をしているので、山の中でもよく目立つ。
私はJR京都線で通勤しているが、いつも4月に入ると、東淀川駅近くのUR都市機構の団地のオオヤマザクラがピンクに色づいているのが目につく。ここのオオヤマザクラは団地が建設された時に植樹されたもので花の色が濃い。
もともとオオヤマザクラは中部地方以北に分布し、西日本では四国の石鎚山にあるとされる。それが奈良県の山の中にあるとは珍しいものである。どうしてこんな山のなかにオオヤマザクラがひっそりとあるのだろう。人が植えたとは思われないし、鳥が種を運んできたのだろうか? うーん、謎である。
真田 俊秀