新年明けましておめでとうございます。平成23年元旦
鴻原弘樹2011-01-01T13:43:26+09:00ついに2011年がスタートしました。 旧年中はNPOおおさか緑と樹木の診断協会に多大なるご協力とご支援を頂きましたことを お礼申し上げます。 本年も様々な取り組みや、おもしろ情報をこのブログから発信していきたいと思っております。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
ついに2011年がスタートしました。 旧年中はNPOおおさか緑と樹木の診断協会に多大なるご協力とご支援を頂きましたことを お礼申し上げます。 本年も様々な取り組みや、おもしろ情報をこのブログから発信していきたいと思っております。 どうぞ、よろしくお願いいたします。
私は毎年、1000年以上も生きてきたと伝えられる『野間のケヤキ』のしめ縄づくりに参加しています。一年の反省と新年に向けて健やかなることをこめて・・。 地元の皆さんと毎年来られる10名ほどの応援の方々と皆が和気あいあいで半日を過ごします。年一回お会いする方々も“やあ・・”と笑顔で挨拶。じかに触れあえるこの古木もなにか笑顔で一緒になってしめ縄をこしらえている錯覚になる事もあります。 先ずは、しめ縄のもとになる藁のしごきと選別、この作業は応援隊が活躍 さあ!しめ縄づくり・・これはなかなか難しい、藁の渡し手とのタイミングが微妙。作業がしやすいように適度の高さに引っ張るのは力仕事でいつもの私の担当、でも今回はいつもご夫婦で参加されるM先生にバトンタッチ。 でも最近、この古木が少しでも若く見えるようにと鳥たちが華やかな飾りを付け始めました。まだ、元気で頑張るぞ!という気概も感じるのですが少し厚化粧になっては身も蓋もありませんので取ってあげようとNさんが中心となって新年早々スッキリとさせてくれそうです。 締めは皆さんでの打ち上げです。 野間のこの木の精霊に、きたる年も素晴らしく奥深い木々の生命に出会い、多くの事を知りえる喜びを味わいたいと願いを込めて・・。 樹木医の皆さん・・来年もよろしくお願いいたします。 Masa
大阪府内で栽培されている果樹の種類をご存じですか? 一番面積の多いのがみかん、二番目がぶどう、三番目がくりです。それ以外にもいちじく、かき、もも、うめなどが栽培されています。ぶどうはハウス栽培も多く行われています。 さて、果樹の栽培管理で大事なものにせん定があります。露地で栽培される果樹は今がせん定の最盛期、せん定ですっきりさせて正月を迎えたいという農家もたくさんおられますよ。 「庭に植えられているうめ」のせん定と「果樹として栽培されているうめ」のせん定ではその方法がかなり違います。ここでは果樹としてのうめのせん定の手順を簡単にご紹介しましょう。図を参考にしてください。 (1)徒長枝を間引きます(元から切ります) (2)主枝の配置を決め、主枝の先端を切り返します(先端から1/3付近の位置で切ります)。 (3)亜主枝の配置を決め、亜主枝の先端を切り返します。 (4)予備枝を設定します。 斜めに発生した発育枝の先端を軽く切り返し、結果枝の予備枝とします。このような枝を亜主枝単位で数本残します。 (5)短果枝を整理します。 上向き、下向きの短果枝を除去し、大きくなった短果枝を切り返します。 (6)結果枝を整理します。 原則として結果枝は切り返しません。多すぎる場合は間引きます。前年に発生した長い結果枝が下垂している場合は、水平部分で切り返します。 詳しい説明を一切省いていますので、わかりにくかったと思いますが、せん定前とせん定後の図とうめの樹を見比べながらじっくり考えてみてください。 doki
我々、樹木医の本丸です。数年前に独立開業したこの場所を一回は見ておきたいと、大阪・堺大会のお礼、大阪での活動報告を兼ねての突撃レポートです。 ①東京駅からJR山手線で16分、160円。駒込駅を下車。駒込駅のホームは掘割になっており、法面がツツジの大刈り込みで緑化され、背景には桜の並木も・・・春には華やかになることでしょう! ②事務所は六義園の東側に皮一枚で立ち並んだ細長いマンションの1室です。道中には花屋さん、藍染の工房、蕎麦屋など魅力的な商店が軒を連ねています。 ③歩道幅も狭くビルは敷地いっぱいに立っていますが、街路樹のイチョウはイチョウらしく剪定されていました。土壌の組成の違いもあるでしょうが、大阪ではこうはいきません。 ④事務所はマンションの3階にあります。窓の外には六義園。あこがれますね、この環境。冬のこの時期、野鳥が元気に飛び交っていました。手を伸ばせばとまってくれそうです。 ⑤事務局長の大島さん(右)と箕輪さん(左)です。お昼休みにも関わらずお相手して下さいましてありがとうございました。 ⑥お昼ご飯は、お蕎麦屋さんです。夜のメニューも充実しています。私は生粉(きこ)そばを注文しました。関西のうどん文化に対し、東京はそば文化です。おいしかった。 ミヤモトヒロユキ
「黒柿って食べたことあります?」 黒柿とはクロガキと読み、一般には木材の名前として知られています。 柿材は淡い橙褐色ですが、稀にタンニン(柿渋成分)が沈積し黒変して、縞模様や濃淡ができることがあります。このような材を黒柿(クロガキ)と言い、昔から珍重されています。 木目は綿密で重硬、主に高級和家具や茶器・建築装飾材の材料として使用されます。 私が食べたのはもちろん木材ではありません。京菓子に「黒柿」というのがありますが、それでもありません。本来の鮮やかな柿色とは似ても似つかない「黒い柿の実」です。 先日、中国地方の山あいのある道の駅で、チョコレートのような「濃いこげ茶色」の果実が売られているのを見つけました。プラスチックのトレイに入れられ、ラップされていましたが、先の尖った涙滴型をしていて、蔕(へた)が付いています。まさしく貼ってあったラベルのとおり「柿」の形をしています。このようなこげ茶色というか黒い柿は見たことがありませんでした。 何という柿か、はたまたこの地方の特産なのか知りたくて、お店の人に訊ねてみました。すると、「今日初めて持ってきた人があったので、名前も分からないんです。売りに出すのに心配だったから、一つ剥いて食べてみました。」との返事。そして皮を剥いて切ったものを持ってきてくれました。試食させていただくと甘くて確かに柿の味がします。私は興味だけで買って帰りました。 我が家に帰って、切って見て分かりましたが、本来は渋柿のようです。種が出来て、ゴマと呼ばれる黒い点が入っています。 食べてみると甘いのですが、皮の近くなど渋い所もあります。家内は運悪く渋い部分を食べたので、「甘いところもあるよ」と勧めましたが、後は一切口にしませんでした。 食べても、何という柿か、名前が分かりません。ひょっとしたら本来はオレンジ色の柿で、渋を抜くために何らかの加工をしたので黒く変色したものではないかとも思いました。 分からない時は柿の専門家に訊ねてみるのが一番です。 岐阜県まで宅急便で送って調べてもらった結果、返事は「黒柿ですね、私も実をはじめて見ました」とのこと。やはり珍しいものだったようです。「種を植えたら黒柿が出来ますかね」と訊ねてみましたが、「接木でないとダメでしょう」ということだったので、食して記憶にとどめるだけにしましたが、地方の道の駅は珍しいものの宝庫で、探索するとワクワクします。 (大槻 憲章)
■植物の逞しさ ●写真は、とあるお城の城壁。 そこには、大きな樹木がありました。 秋になると鮮やかな黄色に紅葉し、皆を楽しみにして癒してくれてました。 城壁の際に威風堂々と生育しています。 でも根が伸びていくスペースがありません。どんな風に根が伸びているかです。 どういう風に生きているか?石をめくって見ますと・・・ このように、石の隙間に細根が蔓延ってるのが判ります。この部分から水分や養分を吸収しているんですね。 ● 防風林 これは北陸のある防風林の写真です。 施工後3年は経ってます。風の強さから植林全体が、風の吹く方向に傾斜しているのが 判ります。防風林は、風害や塩害・保水不足等の外的な障害要因が多く存在します。生育環境は過激ですが、木々達は細々だけど逞しく生育しています。 そしてハマナスの一輪の美しさが嬉しいですね。 ハマナス バラ科 Rosa rugosa 果実は直径2~3cmの扁球形で8月~9月に食べられる。 花は香水の原料に根と樹皮は染料として利用される。 [...]
わが家のベランダから大阪の市街地が一望でき、金剛・生駒の秀峰も楽しむことができます。 真正面は、大津皇子の悲話が伝わる二上山です。晩秋から早春にかけて、北生駒の日出は物凄い。 神神しいとは正にこのことだと思います。 大津皇子の后、殉死した山辺皇女の霊魂か、伊勢神宮の斎宮を解任された大伯皇女の同母弟への熱い想いか、 メラメラと真っ赤なお天道様が昇ります。 市販の暦によりますと、東京では11月22日の小雪の日は、日出が6時23分。 12月22日の冬至の日では、日出は6時47分と書かれています。 北生駒の日出は、11月4日(木)が6時24分。 11月21日(日)は6時40分。 11月29日(月)が6時48分でした。 写真の日出は、北生駒の交野山付近です。 冬至に近づくにつれて、南へ南へと移動し、生駒山に近づきます。 12月2日(木)は日出が6時53分でした。 約4分後の6時56分に全円になりました。 それ以降は光が強くなり過ぎてデジタルカメラのシャッターが下りませんでした。 澤田 清
平成22年12月11日(土)午前10時30分から河内長野市のとある公園にてシラカシの研修を兼ねた、診断をNPOおおさかと日本樹木医会大阪府支部との合同で実施してきました。 当日は、東京にある日本緑化センターからもこの診断に同行されました。大阪・京都・奈良の樹木医総勢27名もの参加がありました。 内容は、外観診断に始まり、地下部では根系調査(根の状態を調べます。どのあたりから根が出ているかを見ることで木の活力等の判断材料とします。)、透水試験(どの程度の水はけがあるのかを穴を掘って水を注ぎ、その減少量で調べます。)、土壌硬度(地面に計測用の棒を打ち込んでいきます。同じ重さの錘を落として1回に沈んでいく距離で土壌の硬さを立体的に調べます。)、地上部では高所作業車を利用した枝部分の腐朽状態の確認(目視等で確認します。)、レジストグラフ(キリをドリルで樹木に打ち込んでその抵抗値で枝や幹の中の腐り具合を調査します。キリの太さは非常に細く樹木への影響は少ないです。)、ガンマ線(いわゆるレントゲン写真のようなものです。樹木を傷つけることはありませんが、設置に一苦労です。)を利用した枝・幹部の腐朽調査などが行われました。 しかも、お昼にはNさん特性の手作りカレーにナン、さらには差し入れのデザートまで付いて診断共に大満足の有意義な一日となりました。 今後とも、NPOおおさからしい、あったかい雰囲気でお願いします。 (KO)
ここは大阪府河内長野市の南部にある滝畑ダムの付近です。 紅葉が綺麗ですね。 この辺りは緑が豊かでとても気持ちの良いところです。 春から夏にかけては滝畑キャンプ場の利用者で混み合うこともあるのですが、寒い時期には訪れる人も少なくなります。 今日はこの滝畑ダムから南へ少し足を延ばしてみましょう。 通る道は府道61号です。 山中の小川に沿って、県境の尾根へと登ります。 この道は舗装されているものの狭いうえに傾斜も急なため、自動車の通行には向いてません。 自動車の運転に自身のある人以外は通らない方が良いでしょう。 特に冬期は路面の凍結もあって危険です。 さて、滝畑ダムから府道61号を8kmほど南へ進んだところに県境の蔵王峠があります。 この辺りから先は和歌山県かつらぎ町です。 ここで、この看板の「堀越観音」の方へ進みます。 およそ2km進んだところで山間の集落に出ます。 集落は寂しいくらいにひっそりとしています。 初冬の寒空が余計にそう感じさせるのかもしれません。 この静かな集落に堀越癪観音があります。 小さなお寺です。 確か、このお寺には大きなイチョウの木があったはずです。 ここまでの道中では木々が色付いてとても綺麗でしたので、ここのイチョウの黄葉も素晴らしいに違いないと期待が膨らみます。 ・・・ですが、時期が少し遅かったようです。 もうすっかり落葉してます。 山間では黄葉の時期はずっと早かったのでしょう。 残念ですね。 このイチョウの木は幹周りが3mほどもあります。 この大きさからするとかなり古い木であることは間違いありませんので、どれくらい古いのかをここのお寺に方に尋ねてみることにしました。 「あのイチョウの木の樹齢はどれくらいでしょうか?」 「わかりません。」 山間の寒さが身に沁みます。 もう帰ろうかとも思ったのですが、少し気になることがありましたので、再度お尋ねすることにしました。 というのも、イチョウの枝の根元の方に以前に強く剪定された跡があったからです。 これほどの大きな木なら、もう少し剪定を控えめにすると、もっと雄大な樹形になるはずです。 それを、ここまで枝を切り詰めるのは何か理由でもあるのだろうかと思ったからです。 「あのイチョウの木はかなり枝を剪定してるように思うのですが・・・」 「切ってます。切るときはバッサリ切ります。横に本堂があるし、天然記念物のサザンカもあるし・・・」 ・・・なにっ!? 天然記念物!? 「そ、そのサザンカはどこにあるのですかッ!?」 「その石垣の上に・・・」 なんと、イチョウのすぐ横に立派なサザンカの木がありました。 [...]
都市の憩いの空間、木陰のある風景。木漏れ日のあるお庭。紅葉とイルミネーションに色づく街路樹。いずれも人と樹木が同じ空間で共存することの大切さを教えてくれます。 さてさて、“共存”なんて言うからには、お互いに譲り合いが大切だと思うのですが、こと緑に対しましては、概ね人の都合を樹木に押し付けてしまって、樹木は黙って耐えてもらうという状況がそこかしこに溢れています。 例えば剪定作業。専門家の目からはぎょっとするような道具でエイヤッ!エイヤッ!と木と格闘されている風景などをよく目にしますし、木の生命力にカツカツのところまで切り込む姿も目に付きます。都市環境にある樹木につきものの剪定作業なのですが、木に与える影響の如何についていつも気になります。 そこで、剪定ばさみを3種用意しまして、柿の小枝を切断し、その断面を観察してみました。 (左)手入れがされていない非常に廉価で刃がもろい剪定ばさみ (中)研いでから数日使用した刃が柔らかい剪定ばさみ (右)研ぎたての鋼の硬い剪定ばさみ の3種の剪定ばさみで写真のように柿の小枝の上部をナナメに剪定し、下部は枝に垂直に剪定します。 この切り口を約220倍に拡大して見てみると手入れがされていない非常に廉価で刃がもろい剪定ばさみではナナメに切った断面には大きなケバ立ちが見られます。また水平に切断した断面は、なんとなくモヤモヤしています。 次に研いでから数日使用した刃が柔らかい剪定ばさみでは、ナナメに切った部分はそれなりにケバ立っています。垂直に切った断面は先ほどの手入れがなされていないハサミに比べ非常にスッキリとした断面で比較的にみずみずしく切れていることがわかります。 研ぎたての鋼の硬い剪定ばさみでは、ナナメに切った部分では3種の中で最も綺麗に切れており、何より垂直に切った断面では、上記の2種には無いツルツルした断面の組織が見られます。 剪定ばさみの性質上、片面の刃で枝を押し切る動作になるので、切断の最終部分にはケバ立ちが出やすく、断面は刃が鈍いほど切断面の組織が押し潰されてしまいます。肉眼で見た場合の断面は3種とも大して変わらないのですが、実際の切断面の表面積には大きな違いが出ます。 [...]