私たちの地域を見ますと、都市公園や都市緑化の推進より、農林業の振興の方が総合的に価値が高いと気づいてから、もっぱら農林業分野に公益活動の主体を移しています。決して公園緑化に可能性が無いとは思っていませんが、税金を突っ込むだけで費用対効果も悪い、旧い都市公園行政の体質はまず治りません。公園緑化や造園業界で何を言い続けても、これは公務員制度改革に解決の糸口を見いだした方が良さそうです。
 その上で、地域と恊働したり収支バランスを考えた公園づくりなど、新しい仕組みに変えていきましょう。最近は、山や畑で汗をかく方が人間らしいとも肌身で感じています。

 さて、表題についてですが、まずは林業関連の道の基礎知識として、「林道」「林業専用道」「森林作業道」という区分けがあります。
 「林道」は、原則として不特定多数の者が利用する恒久的公共施設であり、森林整備や木材生産を進める上での幹線となるものです。
 「林業専用道」は、主として特定の者が森林施業のために利用する恒久的公共施設であり、幹線となる林道を補完し、森林作業道と組み合わせて、森林施業の用に供する道をいい、普通自動車(10トン積程度のトラック)や林業用車両(大型ホイールタイプフォワーダ等)の輸送能力に応じた必要最小限の規格・構造を持つことにより、森林作業道の機能を木材輸送の観点から強化・補完するものです。
 「森林作業道」は、特定の者が森林施業のために利用するものであり、主として 林業機械(2トン積程度の小型トラックを含む。)の走行を予定するものです。また、集材等のために、より高密度な配置が必要となる道であり、作設に当たっては、経済性を確保しつつ丈夫で簡易な構造とすることが特に求められます。

 

泉佐野市上之郷の意賀美神社境内林の森林作業道

泉佐野市上之郷の意賀美神社境内林の森林作業道

 

 写真の現場は、泉佐野市上之郷の意賀美神社境内林で、文化庁「ふるさと文化財の森」にも指定され、檜皮を採取している貴重な森です。
そこに副員2.5mの森林作業道を作っているのですが、林業のためだけに作るのはもったいないので、樹木にふれあい、健康や観光、遠足などにも活かせる美しい道づくりを考えて作業をしています。
 大阪は3割程度しか山が無いので林業県でありませんが、木材生産以外の森林からの恵みを感じやすい距離に森があるとも言えます。
美しい森林作業道は、そんじょそこらの都市公園の園路よりも人間らしく、現に千早赤坂村の大橋慶三郎先生の山なんて、どこの公園緑地よりも素晴らしい道でした。
よくよく考えてみますと、登山やハイキングでは、行き交う人は道を譲り合い、そして挨拶するのが普通ですが、公園での挨拶は普通では無いという時代になりました。
つまり公園より森林の方が人は優しくなれると断言できそうです。
 私たちは、これまでと同様に都市公園での活動も続けますが、美しい森林作業道づくりは公園以上にみどりの価値を府民市民に伝える事のできる活動だと認識しました。
もうすぐするとヒノキの大木の間を縫うような道ができますので、またご案内いたします。

福島征二