昨23年4月の末頃、近くの小学校の教頭先生から、電話がありました。
 「藤の花が咲きました。 ぜひ、見に来てください。」 女性の教頭先生は、弾んだ声でした。

 思えば長い道程でした。 平成18年秋と19年秋に、樹木医仲間の藤研究家に花の咲かせ方について教えてもらい、「何事にも丁重な若い樹木医」 と2人で藤の花咲かジイサンを始めたのは、平成20年2月からでした。

 この小学校の藤棚と出合ったのは、これも偶然でした。 つい最近に樹木医の資格を取得した市役所公園課の緑化担当者から 「ある小学校を卒業する児童達が、卒業記念に植樹したいといっている。 指導してやってもらえないか。」 という電話が掛かってきました。
 小学校に行きますと教頭先生が応対され、ビオトープ園に 「小鳥と蝶」 を呼びたいので、どんな木をどこに植えれば良いか、とビオトープ園の設計図を見せながら説明されました。
 平成の初め、児童の親で造園屋さんが設計・施工を担当したとのことでした。 現地のビオトープ園を見せて頂きました。 ビオトープ園というよりも和洋折衷の樹木を植栽した庭園でした。 巨石を並べて滝を作り、その末端は池になっている。 その池の横に大きなハナミズキと小さなクロマツ、また、3m×6m程の藤棚があって伸びるに任せて、ほったらかしの状態でした。
 2月中旬でしたので、藤は太い枝や蔓を切除しても大丈夫です。 互いに絡み合った枝や蔓を切り、バーコードのように棚の上に枝や蔓を並べて、シュロ縄で固定することから始めました。 6月下旬には今年の春に伸びてきた蔓の剪定、9月には、又また、剪定。 翌年2月は整枝のための枝や蔓の誘導と剪定。 そしてボランティアで手入れを始めて3年目の春、やっと少し咲き出しました。 咲いた年の2月にも手入れしていますので、足掛け4年にして待望の花が咲きました。毎年、年に3回の地味な手入れの結果、咲いてくれました。
 そして、足掛け5年目の今年、24年4月25日に花咲かジジイと御丁重若い衆の2人が小学校を訪れました。 満開の藤棚の下で校長先生が掃除をしておられるのが、印象的でした。 校長先生・教頭先生初め、多くの人達に喜んで頂きました。
 心を込めて正しい方法で手入れをすれば、花は必ず咲く。 その高貴な色、藤色の花を眺めた児童達に「根気と努力」 を感じ取ってほしいナと思いました。

 澤田 清

 

校庭にある藤棚

校庭にある藤棚

 

満開の藤の花

満開の藤の花